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人事の視点/人と組織をグローバル視点で変革するために
先日、第6回People Trees Meetupが東京神田で開催されました。テーマは「企業のグローバル展開と人事」、ゲストにPeople Treesシニアパートナーの高倉千春さんをお招きし、12社14名のお客様にご参加いただきました。
People Trees Meetupも6回目となりました!
2023年6月にスタートした『People Trees Meetup(”自動車会”から名称・位置づけ変更)』も今回で6回目を迎えました。本イベントは、様々な旬のテーマについて、People Treesのお客様とPeople Treesのメンバーを繋ぎ、組織や立場を越えて学び、議論する”Fun“施策です。これまでも「タレントマネジメント最前線」や「日本の労働力不足~どう解消するのか~」等のテーマで2~3か月ごとに開催してきました。
今回は、まずはじめに、高倉さんから「これからの海外戦略を実現する人事施策とは」というタイトルで講演をいただきました。続いて、東野より「人と組織をグローバル視点で変革するために」と題し、様々な事例を交えたお話をさせて頂きました。
「多様性」を活かすには現場を信頼し、任せること。これはグローバルに限らない!
高倉さんからは、「組織と個人の関係性が変化している今、一人一人の多様性を大事に、信頼して任せることの重要性」についてお話がありました。その後、ご自身の経験を交えながら、企業が「一人一人の多様性を大切にしています」ということを本当に実践することの難しさについてお話し頂きました。
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VUCAの時代にあって、「うちはいい会社です」「優秀な人がよりパフォーマンスがあげられる環境の会社です」と示すには、人種、出身、性別、能力に関わらず様々な人材を受け入れていることがまずは必要です。そして、多様性を大切にしていることを実現するには、経営理念やパーパスなどといった企業としての方向性を示しつつ、現場を信頼し、任せ、権限を委譲していく必要があります。それには企業としても思い切った判断が迫られます。さらに、「信頼し、任せる」とは、従業員が自分らしくいられる自由、自分を高める自由、失敗する自由と、そして自由に伴う責任をもつことだと定義されていました。つまり、多様性のある/個を活かす企業というのは、経営理念を個人に共有しつつ、自発的にチャレンジできる機会を提供する企業。そうすることによって、企業と従業員双方が自立した関係を築き、共に成長ができる状態になっているのです。
このことはグローバルという環境における企業と従業員の関係に限らないことだと感じました。労働人口の減少が喫緊の課題である日本において、変化にスピーディに適切に対応するには、従業員一人一人が自立した個であり、その個が活かされる強いチームであることが必要不可欠です。
日本企業の強みを活かすグローバル展開の鍵は”パーパス”
「ジョブ型雇用を導入しましょう」「グローバル基準にしましょう」と決まっても、日本では、多くの場合に現状把握ができていない、それぞれの仕事における今のタスクが明確に分かっておらず、必要なスキル・リーダーシップは何か分からないことがほとんどですと高倉さんはおっしゃっていました。また、東野の講演の中でも、それ故に起きるスキルを持つ人材の採用の難しさや国籍による無意識のバイアスについても触れました。高倉さんはご自身の体験の中で、日本の専門性のレベルは欧米に比べるとかなり厳しい状況にあるともお話しされていました。
では、どうすれば、日本企業もグローバルで戦えるようになるのか。人事としてできることは何か。その鍵となるのが、パーパスの求心力だと二人とも話していました。日本がグローバルで戦っていくためには、日本企業の持つ帰属意識や内なる強さを活かすこと。そのためには、エンゲージメントサーベイを深堀りし、リーダーシップの内省に努め、パーパスを明文化し、さらにそれを浸透させていくことが不可欠です。
そうすることで、今後の企業の成長を握る”多様性=個を活かす”ことにつながり、経営戦略と連動させた人財ポートフォリオを描き、それを実現する人材プールを構築することにつながります。それが、今後の人事戦略の要だと名言されていたのが印象的でした。
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とはいえ・・参加された企業の皆様の”ホンネ”
高倉さん、東野の講義に続き、参加者全員でフリーディスカッションの時間を持ちました。「実際には多様性を受け入れることで企業文化が揺らいでしまうのではないかと不安がある。どのように考え、取り組んでいけばいいいいのか」や「グローバル人材が日本で働くメリットが見いだせず、金額(年収等)を提示しても来てもらえない・・」など皆さんのリアルで切実な悩みを議題に講師・参加者という垣根を超えて、その場にいる全員で一緒に考える時間となりました。
話し合いの中では、本来その企業らしさというのは、経営理念・パーパス=存在意義であることから、エンゲージメントを高めるための話し合いをしていくことが大切だと改めて確認したり、日本に来るハードルの高さ(言語の壁や日本式のルールや評価、市場価格等、わざわざ日本を選ぶメリットが少ない)を、まずは経営陣に理解してもらう必要がありますね等の意見も出ていました。
本編終了後には、高倉さんの著書にサインを求める列ができ、ミニサイン会になったり(笑)、懇親会の場では、今後取り上げてほしいテーマに関するご要望を様々いただきました。
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実際に参加された方たちからは、以下のような声もいただいています。
・日本企業が置かれている状況について、客観的な視点で確認することができました。
・グローバル化の取り組みと人的資本経営の取り組みが同じであるとのお話に驚きが有りましたが、納得できるものでした。”人”を中心に考えると色々な事が繋がるとの気づきがありました。
今後も定期的に、様々なテーマを取り上げてPeople Trees Meetupは開催していきます。皆様のご参加をお待ちしております!