選択肢が多すぎることで購入率と満足度が下がる『選択のパラドックス』とは?
今回の記事は『選択のパラドックス』について紹介していきます。
選択のパラドックスとは買い物などのときにたくさん物があると迷ってしまい購入率と満足度が下がってしまうという現象をさす言葉です。
選択のパラドックスはコロンビア大学ビジネススクールのシーナ・アイエンガー教授が『選択の科学』で説いた言葉です。
ジャムの実験
アイエンガー教授は行動心理の実験を行いました。
6種類のジャムを並べたテーブルと24種類のジャムを並べたテーブル2つを用意し試食と販売をするとどうなるかという実験でした。
試食時の反応
どちらのテーブルも試食した人の数は変わりませんでした。
24種類並べてあるジャムのテーブルのほうが試食していた人たちが楽しそうにしていたそうです。
6種類並べてあるジャムのほうが購入率は良かった
最終的には6種類並べてあるテーブルのほうが売れたのです。
◆ジャムの購入率
・6種類並べてあるテーブルからジャムを購入した率は30%
・24種類並べてあるテーブルからジャムを購入した率は3%
この実験では購入率の差は「10倍」という結果が出ました。
情報はできるだけ多く欲しいと思うが脳は疲れてしまう
通常なら24種類並べられているのジャムのほうが衝動買いしてしまいそうですよね。
人間は不思議な生き物なので情報を多く欲しいはずなのに多くの情報があると脳が判断しきれなくなって疲れてしまうのです。
さらに、24種類のジャムを見た後に購入した場合「他のジャムのほうが良かったのではないか」という後悔が残ってしまいます。
選択肢が少なかった頃は何も期待していなかったのに、選択肢が増えることで期待値が高まり、実際に選択したものはその期待値には届かず、満足を得られないということが起きるのです。
◆身近な例だと
・かき氷のシロップ
・サーティーワンのアイスクリーム
・スタバのメニュー
家電量販店の陳列方法も工夫されている
家電量販店では『選択のパラドックス』をうまく利用して商品棚を作成しています。
炊飯器などは各メーカーが出していますが、同じメーカーの炊飯器でも「松・竹・梅」の種類と価格帯を変えて展開しています。
◆炊飯器における松竹梅の差
・梅-「数千円~1万円台の安価な炊飯器」
熱伝導率があまりよくなくて炊き上がりにムラがある
・竹-「3~5万円台の中級レベルの炊飯器」
窯・本体の構造自体に力が入っており、熱伝導率もよく綺麗に炊き上がる
・松-「10万円の高級炊飯器」
窯には南部鉄などの高級材料を使用し、本体の機能におこげなどが作れる+αの機能がついている
安い梅ランクの商品を通路側に展開し、お客に興味を持ってもらい呼び込みます。
その後に竹ランクである商品を見せ、松ランクの商品を綺麗に見せるのです。
さらに購入者が迷わないように『選択のパラドックス』を利用して商品の陳列数を少なくします。
アナタも家電量販店に行った際はチェックしてみてください。
本当にその会社がお客に販売したい商品は列の真ん中にあるはずです!
※販売したい商品=利益率が高い商品となります。
最後に
『選択のパラドックス』とは買い物などのときにたくさん物があると迷ってしまい購入率と満足度が下がってしまうという現象でした。
うまい棒も種類がありすぎて、後悔しているのかもしれませんね(笑)
アナタも満足度の高い買い物をするために、多くの情報を入れ過ぎず決めたほうが良いかもしれません。