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妻のカッコいい女への道

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記事一覧

53.妻は、間違える。

53.妻は、間違える。

妻は、間違えます。

①「喋らんなぁ〜」

妻の大好きなcreepy nutsのR指定さんが「すべらない話」に出ると発表があった日のこと。

「夫ちゃん!聞いて!」
「どうしたの?」
「R指定さんが、ついにあの番組に出るんだよ!」
「え?なんの番組??」
「しゃべらない話!!」

(せめて、喋っては欲しいものです。。)

②「炭酸強そうな名前」

ウチにはウォーターサーバーとソーダストリームがあり

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23.妻のカッコいい女修行〜ハードボイルド編〜

23.妻のカッコいい女修行〜ハードボイルド編〜

"真紅のブルゾンに無垢な白いTシャツが映える。
青いジーンズは90年代の面影を感じるゆったりとしたシルエットだ。
艶やかな唇には、タバコがくわえられており、うっすら紫がかった煙が空を舞っている。
手元にはぐしゃぐしゃに握りしめられた金色のセブンスターのパッケージが覗いている。
彼女からは、流行りや時代には絶対に流されないという確固たる意志を感じられた。
何より自分以外は全て敵とみなす野性的な目つき

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13.妻のカッコいい女修行〜条件編〜

13.妻のカッコいい女修行〜条件編〜

"ルビー色の美しいロゼワインがグラスに注がれた。女性は誰と乾杯をすることもなく、グラスを口に運ぶ。瞬間、カシスフルーツのような甘い香りが口の中に広がった。
白いTシャツに黒のパンツといった、一見シンプルな服装をした彼女の奥深さは細部に宿っている。白の七分袖Tシャツからは小麦色をした手首がのぞき、彼女に活発な印象を与えた。カットオフされたパンツからは肌触りの良さそうなソックスが見え、上品さを醸し出し

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9.妻のカッコいい女修行

9.妻のカッコいい女修行

【妻のカッコいい女修行】

"まだ明るい夕方から、ポンッと栓が弾け飛ぶ音がする。栓を抜いたお酒をお猪口に注げば小さく細かい泡が立つ。口に含むと心地よい酸味と甘みが感じられ、爽やかなマスカットのような香りが鼻から抜けた。
女性は長い髪をかきあげ、口角を少し上げて笑うと同時に、優しく眉を下げた。
その表情が何よりも雄弁に、口にした日本酒が呆れるほど美味しいことを語っている。
夜の海のように濃いブルーの

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