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図書館を使った調べる学習コンクール。『あかし本』で調べて優秀賞。姫路市のご兄弟

郷土料理「イカナゴのくぎ煮」を守るには〜」。
第23回「図書館を使った調べる学習コンクール」で優秀賞・日本児童図書出版協会賞受賞

ペンコムは兵庫県明石市というまちにある出版社です。私が愛してやまない明石を真っ向から取り上げた本が、その名もズバリ「あかし本 時のまちを創る 海のまちに生きる」(神戸新聞明石総局・著)。なんと、この本で調べて第23回「図書館を使った調べる学習コンクール」優秀賞・日本児童図書出版協会賞を受賞されたという連絡を、主催の図書館振興財団さんからいただきました。

受賞されたのは、姫路市のご兄弟(兄・中1、弟・小4)で、研究のタイトルは、「姫路の人々に愛されるイカナゴとは?〜姫路の郷土料理「イカナゴのくぎ煮」を守るには〜」。

2人は、テレビでイカナゴの漁獲高が減っていることを知りその理由を調べ始めます。当初、「海のよごれ」がその原因だろうと予測していましたが、市立水族館に行きその意外な原因を知りびっくり!

そこから図書館で本や新聞記事を調べ、市水産漁港課の職員にも取材するなどして、50頁にもわたる研究をまとめていったそうです。

ちなみに、同コンクールへの応募は、神戸新聞(20200202刊)によると、全国の出品作約11万点中、同賞など入賞は30点で、姫路市内からは初の受賞だといいます。

審査員の講評より

イカナゴがいかに愛されているか、地元でインタビューします。郷土の誇るべき海産物、イカナゴの漁獲量はなぜ低下したのか、これが研究課題です。海洋汚染か、温暖化が原因か、獲り過ぎか、しかし、意外にも、主たる要因は海がきれいになり過ぎたことでした。いったい「豊かな海とは何か」、研究はこの問いにゆきあたります。

研究の参考にしてもらったところは、おそらくこの章。

「第2部 イカナゴを慈しむ」

瀬戸内の春の風物詩、イカナゴ漁のシンコ漁が今年も行われている。沖では船が網を引き、浜には新鮮なシンコが揚がり、鮮魚店には列ができ、家庭ではくぎ煮を炊くのが、明石周辺で見られる光景だ。イカナゴの漁獲量は2014年、兵庫は全国1位。明石市は県内4番目の水揚げだった。
浜の春 1カ月限定、シンコ魅了 P104
資源管理 豊かな海守れ、漁師ら尽力 P107
ブームと震災 浜の味が地域の文化に P110
伝承 楽しみや魅力、次世代へ P113

神戸新聞の取材に答えて、子どもたちはこのように話しています。

「海が豊かになる仕組みを広めたり、親の魚を取り過ぎないようにしたりと、イカナゴを守る取り組みが行われていると知って安心した」

「豊かな海への取り組み」はこの本のメインテーマ

子どもたちは、取材を続け、調べていくなかで、「豊かな海」というキーワードに行き着き、そのための漁師さんや行政の努力、人々に愛され続けるための取り組みなどに研究を広げていきます。

そして、このことはまさに、「あかし本」の著者が目指したテーマなのです。

「豊かな海」に行き着き、深めていくことで、そして、そのことが評価されての受賞、編集者としても、とってもうれしいです。ありがとう!感謝の気持ちでいっぱいです。