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#周防
赤の事件簿 HOMRA in Las Vegas05
第5話「エドゥアルド・エル・ロホ」
著:鈴木鈴
紫煙を深々と、肺の奥まで吸い込んだ。
先ほどと比べれば、周囲は嘘のように静まりかえっている。聞こえるのは、ぶちのめした黒服たちのうめき声くらいのものだ。ルーレット台にもたれかかっていた周防は、煌めくシャンデリアめがけて、ゆっくりと煙を吐き出した。
ふと、後ろに気配を感じた。
振り返ると、見知った顔が苦笑いを浮かべていた。
「シロウトさん相
HOMRA in Las Vegas 06
第6話「死に損ない」
著:鈴木鈴
葬列が、荒野を進んでいく。
どことも知れぬ、広く、白茶けた荒野だった。ブラックスーツに身を包んだ一団が、長い列を為しながら歩いて行く。誰もが一様にうつむいて、咳ひとつ聞こえない。静々と、粛々と、彼らは歩きつづける。
その光景を、エドはじっと見つめている。
――待ってくれ、俺も……!
エドは彼らにそう呼びかける。呼びかけたはずだ。だが、声は出なかった。
HOMRA in las Vegas 07
第7話「赤の邂逅」
著:鈴木鈴
伏見猿比古は、窓際のソファにどかりと身を投げ出した。
窓の外には、ラスベガスの夜景が広がっている。無数に瞬くカジノネオン、贅を尽くした最高級ホテル群のナイトショー、それらが織りなす綺羅星のごとききらめきは、まさしく百万ドルに値する眺望であった。
が、その美景も、伏見の淀んだ目を癒やしてはくれなかった。
「お疲れ様です。伏見さん」
目元をごしごしと揉んでい
HOMRA in Las Vegas 09
第9話「妄執」
著:鈴木鈴
マリア・レイエスはベッドに腰かけ、じっとタンマツを見下ろしていた。
連絡先にある『エドゥアルド』の項をタップして、電話をかけようとする――マリアは先ほどから、何度もその動作を繰り返していた。そのたびに諦めるのは、「仕事中に連絡をするな」とエドからきつく言い含められていたからだ。
マリアが今までその禁を破ったことはない。ラスベガスに悪名轟くギャングスタ、エドゥア