絵本『ちいさなかえるくん』/読み聞かせ
ちいさなかえるくんは、
春の野原でごちそうを探す。
でも、蝶には逃げられてばかり。
れんげ畑にいるごちそうたちにも
熊ん蜂が怖くて近づけないし、
蜘蛛をつかまえようとしても隠れられちゃう。
さらには、なんとヘビにも遭遇!
かえるくんは慌てて逃げる。
それでもめげないかえるくんは、
最後にやっとハエをつかまえる。
美しくて優しい色遣いの絵が素敵。
生き物には親しみを感じるような温かみがあって、
追いかけるカエルも、逃げる蝶たちも
「がんばれー!」と応援したくなります。
つむぐ 0歳9か月
つむぐにこの絵本は早すぎると思いつつ、
読んでみたら予想外の出来事が起こりました。
くさのなかを なにかが するする
うごいている。なんだろう?
ヘビだ!
僕が「ヘビだ!」と読んだ瞬間、
つむぐが大笑いしたのです。
つ:へぇ〜えぃ!
え、何が面白いのか
よくわかんないけど、
うれしい・・・。
あまりに喜ぶので、
ヘビのシーンだけ繰り返してみます。
やっぱり、何度読んでも「ヘビだ!」で
大笑いしてくれます。
つ:ぁひゃあ!
変な声を出して、
満面の笑みを見せてくれます。
かわいい・・・。
僕が言葉を勢いよく発する様子を
可笑しく思ってくれたのかな。
つむぐはこの絵本が大好きになって、
最初から読んでも、
ヘビのシーンを楽しみに、
じっと聞いてくれるようになりました。
つむぐ 1歳5か月
しまった、にげられた。
ぼくの ごちそう!
つ:とぉぅとぉう!
つむぐがちょうちょの絵を見て、
初めてそう言いました。
彼を可愛く思った妻は、
もっと「とぉぅとぉう!」と言わせたくて、
こんなやりとりを始めました。
妻:これかえるさん?
(かえるを指差す)
つ:(首を振る。)
※いや、かえるだけどね。
妻:これは?
(ちょうちょを指差す)
つ:とぉぅとぉう!
つむぐも喜んでいるけど、
妻はもっと大喜び。
妻の遊びは続きます。
やあ、ごちそうが いっぱい。
こんどは にがさないぞ。
妻:これは?
(カエルを指差す)
つ:なっ!
妻:「なっ」って何(笑)
予想外の言葉に妻は大笑いし、
つむぐも興奮して部屋を
バタバタ駆け回っています。
妻:「なっ」てなんだろ・・・。
あ、花か! 花って言ったんだ!
お花だね。お花のことか。
妻が自分の発見に喜んでいます。
確かに、そのページには、
黄色いたんぽぽの花が
たくさん咲いていました。
つむぐ 2歳0か月
あいかわらずこの絵本が好きで、
「ヘビだ!」のページが
いまだにお気に入りです。
だけど、今日は別のページでも
大喜びしました。
おっ、あっちに ごちそうだ。
よーし、こんどこそ!
僕:かえるくん、ハエ食べちゃった!
つ:うぇははぁ!
あいかわらず、
何が面白いんだかわからないけど、
好きなページが増えてくれて
僕はうれしいです。
『ちいさなかえるくん』
甲斐信枝さく
福音館書店、2005年