
絵本『てぶくろ』/読み聞かせ
森を歩くおじいさんが、
手袋を片方落としてしまう。
そこにねずみが暮らし始め、
かえる、うさぎ、きつね、おおかみ、
いのしし、そしてクマも加わり、
手袋はもうはじけそう。
そこへおじいさんが戻ってきて・・・。
どんどん膨らんでいく
言葉と手袋が楽しい絵本です。
つむぐ 1才10か月
つむぐは、5番目に登場する
「はいいろおおかみ」が、
怖いながらも大好き。
つ:パパ、パパ!
はいいろおおかみ、こわかったの。
パパ、みてて、みててみてて。
さん、にい、いち!
と言いながら、絵本を両手で持って開き、
「はいいろおおかみ」のページを
僕の方に向けて見せてきました。
もう これで 四ひきに なりました。
おや おおかみが きました。
「だれだ、てぶくろに すんでいるのは?」
「くいしんぼねずみと ぴょんぴょんがえると
はやあしうさぎと おしゃれぎつね。
あなたは?」
「はいいろおおかみだ。おれも いれてくれ」
「まあ いいでしょう」
つ:もう、ごひぃきになれまちた。
はいいろおおかみがやってきまちた!!!
だれだ、てぇぶくろにつんでるのは!
語気が強いよ(笑)。
それにちょっと間違えてるし。
急にそんなに言えるようになってて
びっくりだけどさぁ。
つむぐは、僕だけでは満足せず、
妻にも同じページを見せ始めました。
つ:かか、ほら! かか、かか!
ほら、ほら! はいいろおおかみ!
妻:わぁー!おおかみきたぁー!
つ:こぉわーい!
妻:こわーい!
つ:ぱぱといっしょよんでた。
「はいいろおおかみが怖い」ということが
とにかく楽しいようです。
つむぐ 2才3か月
あいかわらず『てぶくろ』が大好きで、
いろんなページの言葉を覚え始めました。
つ:どなぁた?てぶくろにはいっているのは。
ぴょんぴょんがえるとはやあしうさぎよ。
わたしもいれて。
どうぞぉ! どうぞぉ!
うん、「どうぞぉ! どうぞぉ!」なんて
言葉は、このページには書いてないよ。笑
でもつむぐは、おしゃれぎつねを
歓迎したいんだね。
つ:はいいろおおかみがやってきました。
なんだぁ、てぶくろにはいっているのは。
・・・はぃ・・・まぁいいでしょ!
はしょりすぎ。笑
つ:どなた? てぶくろにはいってるのは?
ぴょんぴょんがえるとはやあしうさぎと、
はいいろおおかみよぉ。あなたは?
いのししだぞぉ!
わたしもいれてくれぇ! どうぞぉ。
いのししの声になりきってるね。笑
間違えたり、変に気持ちを入れたりして
読んでいるところが可愛いです。
つむぐ 2才6か月
「はいいろおおかみ」がいまだに怖いけど
気になるつむぐ。
絵本棚から『てぶくろ』を持ち出して
僕に渡してきたものの、
つ:こわいから、めぇつぶってもいい?
と言って、僕の膝の上に
座ってきました。続けて、
つ:ねぇパパ、こわいから、
ててつないでくれる?
僕:手を繋いで読むの?
つ:うん。
僕:いいよ。
つ:よんで。
そんなに怖いのに読んでほしいんだね。
さて、読み始めるとすぐに、初めて
おおかみが怖い理由が判明しました。
つ:おおかみはねぇ、しっぽがあって、
あしもねぇ、しろいあしだから
こわいのつむぐ。
え、そこなんだ。笑
つむぐの好きな犬とか猫だって
その条件満たすじゃん。
でも僕は軽く相づちを打つだけで、
読み進めます。そして「おおかみ」の
ページが近づいてきたとき、
つ:うしろにかくれるねぇ。
と言って、つむぐが
僕の背中の後ろに隠れました。
僕:つむぐなんでお父さんの後ろにいるの?
つ:え、こわいからだよっ!
僕:お父さんの背中に抱きついたら
怖くないの?
つ:うん、おとうさんはねー、
もふもふだから。
もふもふだからって、なに。
意味がわからない。笑
つむぐは僕の肩越しに顔を出して
絵本を見始めました。
そして、ついに、
「はいいろおおかみ」のページ!
・・・ひたすら無言で、無事通過。
ちぇっ。怖がるの期待してたのにさっ。笑
次の「きばもちいのしし」のページになると、
また僕の膝に戻って、ちょこんと座りました。
そのまま静かに最後まで読み終えると、
つ:もういっかいよんで、
これ、こわいから。
父:いいよ。
そして、僕がまた「てぶくろ。」と
読み始めると・・・
つ:こわくないっ!
どっちよ。笑
『てぶくろ』
ウクライナ民話、エウゲーニー・M・ラチョフ絵、内田莉莎子訳
福音館書店、1965年