Take-44:映画『アンダーニンジャ(2025)』は面白かったのか?
【この映画のキャッチコピー】
『日本には今も、忍者が居る。』
【年代・舞台設定】
舞台は現代。日本の東京だが練魔、エゴ田など架空の町名などが登場する。本作『アンダーニンジャ』の世界での忍者は、古来から暗殺などの秘密工作を行っている大組織で、第二次世界大戦後にGHQによって解体されたが、水面下ではまだ組織は存続しているという設定。
構成員は20万人という大所帯で、現在もあらゆる組織に潜伏して活動を行っている。通称は『NIN』。主人公雲隠九郎はこの組織の下忍ということになっているが、その正体はいまだ不明。
【タイトルの意味】
戦後、一部の忍者達が『NIN』を離脱し、独自に組織されていたのがUNと呼ばれる“アンダーニンジャ”。NINと国家の共倒れを目論む組織のようだが、原作漫画は現在も連載中で、その本当の目的などはまだはっきりとはしていない。
【上映時間:122分】
皆さま、よき映画ライフをお過ごしでしょうか? N市の野良猫、ペイザンヌです。
まず原作である花沢健吾さんの漫画の好きなところ、醍醐味といえば「ぐだくだ感」です😂
本編とは一見全く無関係な「だらだらしたエピソード」とエグい展開の緩急──そして「よもやの急展開」。
『アンダーニンジャ』は昨年アニメ化もされ、ボクも見ておりました。
原作漫画の方の序盤が結構ダラダラしてるので(前述しましたがそれが良いのですw)、アニメ化する際にも視聴者は序盤ついていけるんだろうか?🙄──と心配してたのを覚えてます。
今回の映画化においても「ひょっとしたら、もっと万人受けしそうな感じにドラマドラマされちゃってるのかな?」なんて心配もしてましたが、その辺りの“緩いシーンと張り詰めたアクション・シーンの緩急”など、ポイントの押さえ方は「あ、決して間違ってはないな」と少し安心しました。笑えるか笑えないかは別として、の話ですがw
もちろんスタッフ・キャストの皆様も「頑張ってるな〜」とは思いましたが、エンタメとしての「おもちゃ箱」また「文化祭のノリっぽい」という感も否めず😅
決してそれが悪いというわけではなく、それをガッツリ楽しめるタイプの人と、どこか一緒に「うぇ〜い!」と“加われない”タイプの人とに、ハッキリ分かれる気がしましたね。
原作の方では、相対する二つの忍者組織、その歴史、更にはその厳格な上下関係など──背景がこと細かく描かれてますが、2時間という枠内では「トートツに何かが始まったり」「トートツにコントになったり」で、今回初めて映画版から観る人などは「え、結局彼ら(主人公たち)は何がしたかったん?」と戸惑う人も多いかもしれないですね😅
原作では刀で「足すっぱーん」とか「顔面すっぱーん」とか、結構エグい場面などもあり、その辺もどう処理されてるのかと少し楽しみでしたが「誰でも見やすいように」比較的グロさは控えめだった気がします😅
花沢健吾さんのゾンビを扱った前作『アイ・アム・ア・ヒーロー(2015)』の実写映画版などは思いの外グロかったですからねw
登場人物においてもかなり削られておりましたが、これは時間的に仕方ないというか、英断と言うか「あ〜あの役目はこの人がするわけか」と、むしろ原作に忠実に進む割にはよくまとめてあるなと思ったくらいでしたね。
シーンにおいても「え、そこはカットされるんだ!」なんてのもあれば逆に「あ、“そんなところ”はあるのね」──などなど、あれやこれや比較してるうちに二時間過ぎてたなという感じで飽きはしませんでした。
中でも、野良猫ペイザンヌとしては、やはり「猫忍」の猫平さんがカットされてるのが一番残念😿まあ猫をCGなどで動かすのもめんどくさいし、もし続編があるとすれば、そこから出しても問題はなさそうですからね。期待しております。
ボクはぶっちゃけ二三回少し苦笑した程度でしたが、まあ場内からは笑い声もチラホラ……
ボクが観てた回では特に瑛太役の坂口涼太郎さんが一人笑いをかっさらってた雰囲気でしたね。
まあ好きな役者さんであれば何をやったって面白いという人もいますからね。だから笑ってるのか、それとも本当に腹から面白くて笑ってるのか──そこまではわかりませんでしたが。
『アンダーニンジャ』はまだ完結しておらず、原作自体がヤングマガジンにてまだ連載中です。なのでアニメ版も今回の実写版も同じところ、「第一部」で終わっております。続編、『2』があるかどうかは……興行収入・人気次第なんでしょうね。
第二部では九郎の兄弟たち、野性的な雲隠十郎、陰キャながらもデータ収集力の高い十二郎、そして妹である天然キャラ、十一(といち)ちゃんなどが主役交代で活躍しております。そして今回映画版の主役である九郎はというと……現在またなかなか急展開が始まりそうな展開となってきておりますな。
浜辺美波さんや白石麻衣さん、女性陣の顔ぶれも豪華ですが、う〜ん皆あまり個々の魅力が引き出されてなかったかもなぁ……てのが正直な思いでしたね。
浜辺美波さんにおいては『シン・仮面ライダー(2023)』の時などはその姿を見てるだけで結構ドキドキしてたくらいでしたが、今回は『銀魂(2017・2018)』での橋本環奈さんの変顔の二番煎じみたいなことやらされてたり、逆に少し可哀想にみえたりも……
鼻ホジはさせられずとも劇中で山崎賢人さんに「ハナクソハナクソ」言われてましたしねw
御本人の現場風景を語った記事でも、どこか福田組にはあまりいいイメージ持ってない風に見えましたし「達成感よりも喪失感の方が大きかった……」──なんてことも言われてみたいですし😅
一つだけ生理的に無理だったというか、個人的にどうしてもダメだったのは、やたら無駄に流れるBGMですね。そこ、無音じゃダメなん?──と何度思ったことかw
また、それと同様、ことあるごとに「きゅぴん✨」とか「きら〜ん♪」とか付いてくるあのSEというか、効果音……
(-_-;)TVドラマなんかでよく使われるイメージがありますが、あれがボクすっごく苦手なんすよ。
苦手を通り越して嫌悪感すら感じる演出であります。まあこれが福田雄一監督のカラーなのかもしれないと言ってしまえばそれまでですが、それだけで個人的にはかなりのマイナスポイントになっちゃったのが残念でした……
ただしクレジットのテーマソングCreepy Nutsによる「doppelgänger」。アレは耳に残りなかなかテンションの上がる神曲でしたな!
そういえばアニメ版のOPソング、kroiの「HYPER」もめっちゃ好きでかなりボクはリピしておりました。
原作者、花沢健吾先生は『アンダーニンジャ』と同時期にもう一本、ビッグコミックスペリオールで『たかが黄昏』という漫画もダブルで連載開始してましたが、アニメ化が決まった『アンダーニンジャ』に力を注ぐべく連載を一時中断してしまったんですよね。
こちらは地球上から男がいなくなり女だけになった世界の話。そこにある一人の男が現れたところで休載に入りました。正直、ボクは『アンダーニンジャ』より、こちらのストーリーの方が好みでした。いつかまた再開してほしいな〜と密かに心待ちにしてる作品です😌
では、また次回に!
『アンダーニンジャ』コミック1-14巻セット (講談社)
『アイアムアヒーロー』コミック 全22巻 完結セット
『たかが黄昏れ』(1) (ビッグコミックススペシャル)