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7/11 【それは、何を基準にヤバいのか?】


ある程度、人生に絶望した経験があると哲学的なものに啓蒙する瞬間がある。僕もこれまで、触る程度に様々な哲学を本や動画を通して読んでみたりしたんだけれども、どれも、まあ難しい。よく分からん。あれをちゃんと理解しながら読み込める才能が残念ながら無かったんだけれども、最近、いただいた本がめっちゃ面白くて、その内容について触れようと思う。


東洋哲学を現代風に翻訳した本で、挫折しそうなくらい細かく分厚い辞書のような本に比べると、めちゃくちゃ分かりやすくなったこの本。東大卒のこじらせニートが翻訳したんだから、そりゃ独特で面白いだろうと思ってはいた?だけれど、色々超える面白さがそこにあった。


中でも、龍樹の思想はめちゃくちゃ感銘を受けた。


 初期大乗の『般若経』が成立しだすと、『般若経』は部派仏教(小乗)を批判します。上座部仏教の固定化した型に対して、「空」の立場から批判するのです。また、『般若経』では何ものにもとらわれない「空」の立場に立ち、またその境地に至るための菩醍の行(六波羅蜜)の実践を説きます。その中でも般若波羅蜜の体得が強調されます。

 龍樹はこれを受けて、空の思想を論理的・哲学的に整理し、それまでの部派仏教の思想がその原理を固定化・実体化すると矛盾に陥ることを示して論破しています。すべてのものは実体がなく空である(無自性)という立場を表明しています。

広済寺HPより引用


上の引用を読んで、ちゃんと理解が出来た人は哲学者に近い感覚を持っているはず。僕にはそれがなかった。上の文だけ読んでも意味が分からなかったけど、この本を読んで空の思想がある意味無敵な思想であると分かったし、生きる上でこの考え出来たら最強やんって思った。

細かいことは本を読んでほしいし、全てを理解して説明までは現時点でもちょっと困る。3度くらい読み返してこれだから、まだ時間がかかりそう。でも、悩んだ時の空の考え方はめちゃくちゃ面白いから聞いてほしい。

要するに、空の思想とはこうである。

全て、フィクション。

もう意味が分かりませんね。この世で起こることは全てフィクションであると。

この世の全ては、ただの心のみであって
あたかも幻のように存在している。

自分とかないから。より引用

もう意味が分かんないって人、通常です。
これだけじゃ絶対わからん哲学だから心配せず。

で、その後にこう付け加えてある。

全ての悩みは、成立しない。


悩みがちでクヨクヨしがちな人が多い現代に一石を投じる考えだ。


自分は弱い、ダサい、カッコ悪い、、、こんな悩みが湧き上がってくる。
昔は、いつもこんな気持ちを抱えていた。ネガティブな男。

ここに、龍樹はこんなことを言ってくる。

何を基準に?

例えば、身長を例に出す。大きい、小さい。この2択で表されることが多いが、これも時と場合による。自分より小さい人と比較すれば自分は大きい人になり、そのまた逆も然り。160cnだろうが190cmだろうが、小さいし大きいのである。

、、、?

難しいですね〜笑
ただシンプルなのは、何を基準にしてるか?これだけ。自分が基準としているもので考える物事がポジティブにもネガティブにもなり得る。たったこれだけ。自分の変わらない本質は成立しないとまで断言しているこの空の哲学、めっちゃおもろい。

そしてすごく前向きな考えでもあると同時に思った。全ての悩みは存在しない、だってこの世は全てフィクションであり、めっちゃしょうもない決めつけや考えの中をぐるぐるしているのは、自分だけでしかないということ。

ありがとう龍樹。ありがとう空。ちょっと、いやもしかしたらプロおごの本を読んだ時以来に価値観に衝撃を与えてくれたように感じる。


サポートしてもらえたら、いつか還元できるように頑張ります。