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セブンイレブンとスターバックスのエリア戦略の違い!

街は生き物のように少しずつ姿、形を変えていく。

街を見渡してみると、最近の流行や働く人の心理、人々のライフスタイルの変化などに気づく。
更に、そのエリアで今後、どんなビジネスや業態が浸透していくのかも透けて見える。

飲食店やアパレルショップを出店する際、❝商圏❝を把握することが重要ということを学んだ。
今回は東京のエリア戦略を前提と考えるが、❝商圏❞とは、「自分のエリア内に来る最大の人数」だったり、「世帯数」、「人口量の多い・少ない」、「住んでいる人の年齢層が高い・低い」などの定量的なものを定義することが多いが、
東京の場合、一つの都の中に様々な商圏が内包されており、一つの街ベースにおいても沢山の商圏が存在する。

東京はその「量」に掛け合わせる「質」がどんなものか、「質」の多様性によってその奥深さが生まれる。
じゃあ、その「質」とは具体的に何を指すだろうか?
例えば、「同業態のお店の出店傾向」「雰囲気」「イメージ」など、エリア戦略の答えは無限に広がりを見せる。
しかし、こういった「質」の部分を敏感に察知でき、動ける人こそ、東京という難しい商圏をより理解することが出来るだろうと感じた。

今回はその根拠を実際の例を踏まえながら紐解いていきたい。

コンビニ大手 セブンイレブンとコーヒーチェーン大手スターバックスのエリア戦略

まず、コンビニの出店数と人口の相関関係の話をしたい。

プレジデント・オンライン
https://president.jp/articles/photo/33559?pn=2

図を見ると、セブンイレブンは人口が多いところに出店している割合が76%、同じくファミリーマートが35%、ローソンが25%と続いている。
この図で見ていくと、セブンイレブンが人口量の多いエリアを重要視していることが予測できる。

続いて、スターバックスの出店しているエリアを見ていきたい。

プレジデント・オンライン
https://president.jp/articles/photo/33559?pn=2

スターバックスも人口量を重視していることは間違いないが、中でもスターバックスは❝昼間人口❞を重視している。

セブンイレブンが足立区や世田谷区、大田区などで出店数が多いのに対し、スターバックスは千代田区や港区、渋谷区、新宿区が多い。

セブンイレブンは出かける街というよりは住む街のイメージが強く、お惣菜にも力を入れている為、夕飯時にも助かる。
スターバックスはいわゆる❝手に持って歩くと格好がつきそうなおしゃれな街❞に多く出店している。

イメージを重視する両者の大きな違いが見えてきた。
実は23区で唯一、荒川区にはスターバックスがない。

昭和の雰囲気の残る下町エリアということもあり、トレンドに敏感な若者がコーヒー片手に歩き回るイメージとはかけ離れているのだろう。

このようにセブンイレブンは夜間人口が多いエリアに出店し、スターバックスは昼間人口と街のイメージとブランドを絡めて出店を進めている。

スターバックスと上島珈琲店の商圏の考え方の違い

同じコーヒーチェーンでもスターバックスと上島珈琲店で商圏への考え方が全く異なる。

スターバックスの場合、店内で飲食するイートインとテイクアウトが半々くらいと言われているが、上島珈琲店ではそもそもテイクアウトが非常に少なく8:2、又は9:1程の割合で圧倒的にイートインが多い。

つまり、同じくらいのスペースが確保できれば、スターバックスは上島珈琲店より売上を倍取れるということである。
テイクアウトを利用するお客様が多ければ、必ずしもイートインスペースにこだわる必要がないということである。

同じ大手でも戦略にこれだけ大きな差があるということが分かる。

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