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クルマを売るには決定権者に気に入られなくてはダメですよ

クルマの販売の源泉は主には3つあって、既存のお客さまからと新規のお客さま、そして会社に入る紹介に分かれる。そして、既存のお客さま自身か、その方からの紹介という風に枝分かれするのだけれど、新規のお客さまのルートもいくつかあって、お店に来店もしくは電話からの申し込みされる場合とネットからの申し込みの3つのパターンがある。さらにネットの申し込みにも2つのルートがあり、メーカーのホームページからの申し込みと民間の自動車情報サイトの見積もり比較ページからの申し込みになる。

今回のお客さまはメーカーのホームページからのカタログ請求がきっかけだった。メーカーホームページからのカタログ請求のお客さまは民間からの見積もり請求よりも遥に成約率が高いのが特徴で、ボクは必ずカタログが着いたころにお客さまの希望する接触方法でフォローするようにしている。今回もメールを送ったところ、実際に来店して検討しているヴェゼルを確認したいと言う返信があった。

このお客さまはネットでのカタログ請求の段階から、検討しているヴェゼルのタイプ等の記載がすごく具体的で、検討の真剣さとご自身でもすごく熱心に検討されていることが伺えた。そういうこともあり、確認したいグレードが4パターン記載されていた。だいたい1店舗に同一車種は多くても2台しか配備されていないのと、車検や点検の代車も兼ねているので来店希望日にクルマがないことも多い、今回もお客さまの来店希望日には代車として使われているので、他店舗から借りてくるにあたり1つのグレードを選択して頂いて商談する運びとなった。

商談当日お客さまは電車と徒歩で来店された。2時間ほどかけて、一通り実車の確認や見積もりをし、この日は競合他社との比較や奥さまとの検討もあるので、ご帰宅されることになったが、そこでボクからある提案をさせて頂いた。それは今一度試乗も兼ねてご自宅まで送ると言う提案だった。この提案にお客さまには非常に喜んでくれて、奥さまへ連絡を取ったところ3歳の娘さんと一緒に試乗をしたいとのことだったので、チャイルドシートをデモカーに付けてご自宅に向かった。

何故ボクがこのような提案をしたかと言うと、商談の過程で、今回のクルマの購入に際して、車種選定やグレード選定そして予算に関して、奥さまに完全に決定権があるのが会話の節々から感じ取られたからで、これは奥さまに会って話をしない限り、短い時間で結論を出すことは難しいと思ったからなのと、6月に第2子の出産の控えて3歳のお子さんと店舗へ出向いてもらうよりはこちらからクルマを見せに出向いたほうがお客さまの負担も少ないと判断したからだった。

この判断は的中して、奥さまからは非常に喜んで頂き、後部座席の広さや乗り心地が気になるとの事だったので、通常しないのだが、奥さまが希望される高速道路での試乗もして頂いた。その長い試乗の時間を使って、奥さまとはコロナ禍での出産の大変さや、ボクも長男が産まれた時は、奥さんが半年も入院して大変だった話しや、育児の話しで盛り上がって1時間ほどの試乗を終え、翌週にはもう一つ検討しているグレードの試乗をする約束を取り付けた。

そして2回目の商談当日、ボクはお客さまのご自宅まで試乗車で伺い、再び奥さまと娘さんと4人で試乗をした。前回の時の印象が良かったようで、すでにヴェゼルの購入に決定している雰囲気が会話の中から伺えた。試乗が終わって、ご主人と2人で店舗へ行くことになったが、奥さまからはヴェゼルで決定との言葉を頂いていたので、成約して頂いたのはもちろん、こちらでお願いをした自動車保険とJAFへの加入、ホンダのクレジットカードの申し込みまで頂けることになった。

今回の商談の成約のポイントは、決定権者の奥さまと直接会い、奥さまの気持ちに寄り添うことによって、クルマのみならず、保険・JAF・クレジットカードの申し込みまで頂けたことだと思います。意外なことかも知れませんがセールスなのに、お客さまに寄り添える人は意外と少ないものです。サラリーマンである以上、会社の立場や自分の立場があるので、それを主張しがちですが、それ以前にお客さまの気持ちに寄り添って、それぞれの立場があるので、難しいことはご理解頂く、こういうスタンスが大事だと思います。

では、次回の商談ストーリーでまたお会いしましょう。


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