ボイシャル・ハラスメント
2024.09.13
ぺぎんの日記#166
「ボイシャル・ハラスメント」
ボイシャル・ハラスメント
▶[ローカル]化学における法則の1つである、ボイル・シャルルの法則に苦労させられること。また、化学のテストでボイル・シャルルの法則を含む計算で失点すること。
化学の授業中にクラスメイトが呟いた「ボイシャル・ハラスメント」という言葉が、ここ数日の私の流行語。
そもそもボイル・シャルルの法則とは、
一定量の気体の体積Vは圧力pに反比例し、絶対温度Tに比例する
というもの。
シンプルな形をしているものの、だからこそ他の法則と混ざりやすく、非常に覚えにくい。理不尽な難しさは持っていないくせに、じわじわと苦しめてくるいやらしさがある。
そんなことを、その「ボイシャル・ハラスメント」と最初に言い出したクラスメイトも考えていたかは定かではないが、少なくともボイル・シャルルの法則によいイメージを持っていないという点では私と共通だろう。
この造語について冷静になって考えてみると、「名刺+al」で形容詞になることから、シャルルさんの面影は「Ch」しか残っていないことが分かる。シャルルさん可哀想。でもそんな杜撰さも、造語ならではの可愛らしさではないだろうか。
ボイシャル・ハラスメント。この先の人生で、もう2度と出会うことは無いであろうこの言葉。そんな言葉が次々と生まれては消えていく、高校生の文化。
誰のためにもならない、自分たちが楽しむための言葉たち。あだ名や、造語や、通称。青春のために消費されていく言葉の数々。そういったものを全部集めてみたら、どんな景色が見えるのだろうか。
「ボイシャル・ハラスメント」
未来の私へ。青い春の情景は、消えていった言葉に隠されています。いつかもう一度、探し出してください。