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『#私の掛川100景』切貼民話師ゆーだい編

遅くなってしまいましたが、あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、昨年私もリサーチや記事の下書きに一部携わらせていただいた『掛川100景』がだんだんとアップロードされております。ぜひご覧いただき、掛川の魅力や文化に触れて、新たな探究やチャレンジのきっかけにしていただけたら幸いです。

今回の記事では『#私の掛川100景』をテーマに、100景で挙げた以外のおすすめの〝景〟を紹介します。

私が勧めるため民話や伝説に関連した場所が多めになりますが、物語を紡ぐ文化や環境に想いを馳せることで、ここからさらに新たな〝景〟を見つけるきっかけとなれば幸いです。

唐土神社@垂木地区獅子平

1つ目は、垂木祇園祭の記事の一部と重複しますが、なんといっても『唐土神社』です。「自分って、民話や伝説を追いかけることが好きなんだなぁ」と気付かせてくれた大切な場所です。

山奥にあり、車で訪れる場合でも危険を伴うため「ぜひ訪れてみてください!」と気軽に勧めることはできません。また、(そもそもやろうとは思わないでしょうが)私のようにママチャリで行くことも、絶対にやめた方が良いと思います。

なんと言っても山の中なので、電波が通じない箇所もあります。
岩肌から清水が流れています。

このように、なかなか訪れることができない場所にあるからこそ神秘的で、現実世界と伝説の世界とが入り混じる不思議な感覚になります。

唐土神社周辺も木々に囲まれています。

以前のブログにも書きましたが、唐土神社は2日間かけて探し回り、ようやく見つけた思い出の地。神社に辿り着く直前、祠を見つける前からゾクっとした感覚を覚え「絶対にここに探し求めていた唐土神社がある!」と確信を得ました。それほどエネルギーがある場所なのだろうと思います。

こちらが唐土神社。

ではいったい唐土神社とは何なのか。
詳しくはこちらのブログをご覧ください(超長文ですが)。


『天地仁』と『おへそ山』のモニュメント@安養寺運動公園

2つ目は安養寺運動公園内にある『天地仁』『おへそ山』の2つのモニュメント。

掛川駅から安養寺運動公園はバスで20分ほどですが、本数が少ないため車などでのアクセスをおすすめします。私は例によってレンタサイクルで行きましたが、ママチャリでは最後の上り坂が割ときついです。

運動公園に入ると『天地仁』のモニュメントがありました。

こちらが『天地仁』。
周囲の日本庭園や、時々刻々と移り変わる風景と共に作品の世界を味わうことができます。

作品の説明にあるように、エコポリスとは掛川市の丘陵地帯に作られた、自然との調和が実現された工業地帯のこと。

『天地仁』からは、自然物と人工物とが織り混ざり、時々刻々と移りゆく風景の中で日々変化し続けながら調和していくダイナミズムを感じることができます。

個人的には、現地に住んでいる・いないという違いを越えて多様な方々の視点が混ざり合い、変化しながら創られていく今回の100景プロジェクトと重なる気がしました。

『おへそ山』は運動公園の奥側にあります。おへそ山とは掛川に伝わる民話で、『まんが日本昔話』でも描かれたことがあるそう。

そのモニュメントがこちらです。

なんだかベーゴマを裏返した形みたい!

すぐ隣には解説が書かれた碑がありました。

写真だと少し文字が読みにくいため要約すると、次のようになります。

空から落ちてきた雷様の手当てをした和尚さんは、そのお礼として雷様からおへそを受け取った。雷様の言うことには、このおへそを日照りの時に拝むと雨が降るそうな。試しに日照りの時に拝むと本当に雨が降ったという。

雷様のおへそはサザエの蓋のような形だったという言い伝えから、このような形のモニュメントになったのだそう。海が身近にあった遠州地方だからこそ生まれた喩えと言えるでしょう。

調べる中で、実際に雷様のおへそを使った雨乞いの儀式がしばらくの年月行われていたことや、雷様ではなく雷獣だったのかも知れないといった資料もありました。

100景の中にも無間の井戸や夜泣き石などがピックアップされていますが、民話や伝説の世界へ気軽にアクセスできる場や物が各所に残されているのが掛川の魅力だと改めて感じました。

沖之須の浜辺

3つ目は沖之須の浜辺です。
こちらのホームページの『狐の尻尾』という民話に因んだ場所を散策しようと思って訪れました。

真夏の灼熱の中、汗だくになって辿り着いた海の景色に感動したことを覚えています。

地元も山、大学時代も山なので、あまり海に馴染みがない私。だからこそ、青い空に広がる入道雲や波のゆらめきをずっと眺めていることの心地良さを新鮮な気持ちで味わうことができました。

寄せては返す波🌊
青い空に広がる白い雲!なんて素敵な景色!

また、海ならではの自然物に興味を抱きました。中でも流木の形の面白いこと!1人でキャッキャしながら、砂に足元を奪われつつ夢中になって集め、その場で組み立ててみました。

不思議な形の流木。これ単体でも何かに見えてきますね。
こちらも面白い形!

完成したのがこちら。狐の尻尾の民話が頭にあったからなのか、どこか管狐っぽい姿になりました🦊

「なに〜?尻尾の貝殻が欲しいの?」
「ほら、あげる!その代わり、遊んでよ!」

沖之須散策の様子も以前ブログにまとめましたので、よろしければご覧ください。

エノキモチ@二の丸美術館

最後は、二の丸美術館前にある『エノキモチ』という木。今回紹介する中では唯一、民話や伝説と直接関係していない〝景〟です。こちらは掛川駅から徒歩でアクセスできます。

エノキモチは一見すると普通の木なのですが、実はエノキとクロガネモチの合着木とのこと。

こちらがエノキモチ。
合着木という概念を初めて知りました。まさにコラー獣的ですね。

2種類の木が混ざり合う不思議、そして、エノキ×クロガネモチと、美術館に相応しい「絵の気持ち」というダブルミーニングになっているところがとてもおしゃれ。

エノキモチに関する民話は調べた限りないと思います。しかし、この木を見ながらその成り立ちを想像することで物語が生まれていきそうだなぁと感じました。また、それぞれの人が感じたイメージを混ぜ合わせ、みんなで創作民話を考えるワークショップを行うのも面白そうだと思います。

ちなみに、二の丸美術館では以前、水木しげる先生の『妖怪道五十三次と妖怪図鑑』展が行われていました。ナイトミュージアムとして夜間開館されていた期間もあり、妖怪たちが棲む不思議な世界へと誘われるような雰囲気が醸し出されていました。

ナイトミュージアム時の二の丸美術館。
『水木しげる 妖怪道五十三次と妖怪図鑑』展の入り口はこんな感じ。
ナイトミュージアム時は竹灯籠が階段に置かれ、幻想的な雰囲気が生まれていました。
中の展示はこんな感じ。鬼太郎たちも嬉しそう。
東海道五十三次と妖怪道五十三次との比較、日坂宿版。道のど真ん中に置かれた石については、ぜひ掛川100景の『夜泣き石』の記事をご覧ください。
こちらが掛川宿の様子。遠くに秋葉山が描かれています。

きっとエノキモチも魅力溢れる二の丸美術館の展示を日々楽しんでいるのだろうなぁ。羨ましいです。

まとめ

以上、私がおすすめする〝景〟を4つ紹介しました。もちろん他にもリサーチの中でたくさんの魅力を見つけることができ、掛川がすっかり大好きな街になりました。

100と言わず、たくさんの『#私の掛川100景』が生まれ、それぞれの感性や探究が結びつき、生涯学習の輪が創発的に広がっていったら良いなぁと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました!

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