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「もっと早く聞いていれば…」が無いように

子育て本能を補完する、知識や経験。


私ごとですが、
子どもが一人おります。

産まれてからの子どもの世話は、ほぼ全部妻に任せてしまっていました。

夜泣きも毎日あり、ミルクを作って飲ませては抱っこをしてあやす毎日でした。

ふと妻の様子を見ると、すっかり憔悴し切ってしまった、本人には内緒ですが、髪は振り乱れ、昔話に出てくる「鬼○○」の挿絵のような容姿になっていました。

24時間育児に追われ、当然自分の時間もなく、昼夜がない生活になり、まとまった時間の睡眠も取れず、その中での世話ですから、いわゆる育児ノイローゼという状態だったかもしれません。
本人曰く、当時のことを振り返ってもそのときの記憶がないとのことです。

恥ずかしながら私ができることは、夜泣きのときに抱っこをしてあやすことくらいでした。
毎日2時間から2時間半は抱っこをしてあやしていました。
腕の力がなくなってくるので、そおーっと布団におろそうとすると、そのことを察知してさらに泣き出すという繰り返しでした。

そんな中、夜泣きの声を聞きながらこんなことを思っていました。

夜泣きが、これからずっとあるわけではない。
そのうち泣かないで眠るときがくる。
そういえば、夜泣きの回数って何回くらいなのだろうか?
夜泣きをしないという子もいれば、そうでない子もいる。
この子の夜泣きは何回なのだろうか。
夜泣きの回数をX(エックス)とすれば、今泣いているから-1(マイナス1)。
もしかしたら今日で0(ゼロ)になるかもしれない。

そう思ったら、
「もっと泣け、もっと泣け」と心の中で言っていました。
夜泣きの声を二度と聞くことができないと思うと、しっかり聞いて記憶しておきたいと思ったのです。
でも、そう簡単にはゼロにはなりませんでしたけどね。(笑)


歯が生えてきそうな時期になると、違和感があるためなのか、家族中の人の腕などを噛んでくる時期がありました。
そっと近づいて噛んでくるので、家中あちこちで「いたーい!」の声が上がっていました。

私は、どんどん噛んでほしく、私から手や腕を出して噛んでもらっていました。
まもなく歯が生えてきて、次に歯茎で噛んでもらえるときがあるとしたら、それは、子どもが総入れ歯になって、かつ私が生きているというときです。(笑)
もう二度とない歯茎で噛まれる痛みや感触を記憶として残しておきたいと思ったのでした。


子どもたちへのかかわり方や特別な支援が必要なお子さんへの支援のあり方など、教育相談活動を行なってきていることから、講演会や研修会などで話をさせていただく機会があり、そこでこんな話をすると、変わり者と笑われながらも
「考え方次第で気持ちって変わるんですね。」
「もっと早く聞いておきたかった。」
というお声をたくさんいただいていました。


先日テレビで、
🔹昨年度の児童虐待件数が約22万件で過去最多
🔹そのうち心理的虐待が約6割
というニュースを目にしました。

22万件に至る背景は様々であり、私の想像を超える困難な環境があると思います。
私ごとである夜泣き一つをとっても、たまたま我が家は一軒家だったのですが、それでも近所の迷惑になっていないだろうかと気にしていました。それがアパートだったり、ましてやご近所さんとの関係性がうまくいっていなければ、それだけでもかなりのストレスになるだろうと思います。
私は、きれいごとをいうつもりもそんなことを言える立場でもありません。

ただ、私が持っている子どもたちの支援にかかわる情報を、
「もっと早く聞いておけばよかった」
というような声として聞きたくないのです。

かつての、人と人が出会わなければ、また書物として表現されていなければ情報が得られない時代だったら、
「もっと早く聞きたかった。」
「もっと早く出会いたかった。」
というのはあるでしょう。

しかし、高度な情報化社会で自分から情報を得られる現代にあっては、
「情報を活用したよ。」
「情報として知っているよ。」
という声にしてもらいたいのです。

一つの生物として人間をとらえたときに、
「子育て」はどこまでが本能として備わっているのでしょう?
おそらく本能として占める割合は犬や猫の動物のように多くはないでしょう。
本能に占める割合が少ないならば、悩んだり苦しんだり、ということが子育てに伴ってくるのは当然なことなのだろうと思います。

そうであるならば、だからこそ悩みや苦しみを軽減したり成長の喜びに変えていくための知識や経験、ときには考え方が必要なのだろうと思うのです。

子どもたちの成長は待っていてはくれません。
成長段階に応じたタイムリーな知識の活用やかかわりが必要です。
今後も、「情報として知っているよ」「情報を活用したよ」というお声をいただけるよう、「子どもの育てレシピ」として様々なテーマで情報を発信していきます。

また、オンライン上にはなりますが、リアルタイムでお話ができる場を準備しております。
情報を聞いたら質問も含めて話をしたくなる方々もいらっしゃるかなと思うのと、PeeeACEとしても情報の発信だけでなく、みなさんのお声をお聞きできたらと思っております。
詳しくは、準備ができ次第お知らせをさせていただきます。


最後になりますが、
子育てにかかわるレシピとして、みなさんの側でご活用いただけたら幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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