雨乞い理論(結果論)について。
どうも皆さん。今回は、何故占いや未来予測が的中するのか、についてお話します。
過去記事「16personalitiesにご用心」で、ぼくは占いの的中率が9割を超えていても信じない、というお話をしました。今回はその根拠についてお話します。あくまで、占いや性格テストや未来予測に、雨乞い理論とバーナム効果が関わっている可能性が高い、というだけで、すべてがそうとは言いません。が、仮に本当に正確に未来を当てるものであったとしても、科学的エビデンスの無いものに関しては、信用しない方が賢明です。コストのリスクと、アンカリングのリスクが伴うからです。
科学的エビデンスのある場合、例えばプレートの形状や対流の状態、その他もろもろを計算した結果に何年何月あたりに地震が発生する可能性が極めて高い、と言ったような情報であれば、その災害に対して対策した方がリスクを抑えられるので、信用した方が良いでしょう。外れた場合にはコストに対するリスクが表面化してしまいますが、当たった場合に対策しなかったリスクに比較すれば、まだマシでしょう。
一方で、「私は神から啓示を得た」とか「タロットカードでTowerの正位置が出た」とか「おお見える、見えるぞ、水晶玉が2025年に大地震が起こると言うておる!」とか「〇〇族の予言によると202X年に人類は滅亡するそうだ・・・!」とか「アカシックレコードと繋がってみた」とか「イデア界で確認した」とか言ってたら、その情報を信じるのはちょっと待った、です。
自然界で起こることを予測するのに、現段階では数学以上の信頼度を誇るものはありませんので、数学による科学的エビデンスが掲載された情報は、的中する確率がかなり高いので、信じた方がリスクヘッジになりますが、それ以外の結果に出た情報の的中率はかなり低いので、信じるのは考えなおした方が良いでしょう。
人間関係や社会的な悩みを解決する未来予測であっても、やはり数学以上の信頼度を誇るものはありませんので、心理学のような統計に基づいた情報を信じた方が賢明です。もちろん、数学も統計も絶対普遍の真理ではない(不完全性定理)ので、そこのところは注意してください。
そして、数学や統計で導かれた情報であろうと、ワケノワカラナイ占いや予言や啓示であろうと、絶対に信じてはいけないものが一つだけあります。それは自分自身の事に関する情報です。
たとえば、あなたは〇〇という遺伝子情報を持っているので、こうこうこういう性格で、こういう生き方が適しているでしょう。とか、あなたは〇〇という星の下に生まれているので(以下略)とか、あなたは血液型が〇型なので(略)あなたはMBTI検査の結果(ry)……etc
どんなに科学的数学的エビデンスがあっても絶対に信じないでください。それはあなたの可能性を狭めるだけのモノです。バイアスやアンカリングや暗示はとても危険なものなのです。既に自分がバイアスやアンカリングや暗示にかかり続けたまま生きている可能性も非常に高いので、常に自分自身を疑って何か暗示にかかってないかをチェックしましょう。
自分で認知出来ないかもしれない場合もあるので、他人にもチェックしてもらいましょう。ただ、他人のチェックを鵜呑みにした場合はそれも可能性を狭めかねないので、あくまで判断材料の一つとして受け取るのが賢明です。
自分を一番良く知っているのは自分自身ですが、自分自身さえもバイアス、アンカリング、暗示にかかっているので、他人からもチェックして貰って、自己診断も含めた多角的な視点で自分を確かめるのが良いでしょう。
さて、本題に入りましょう。今まで散々、情報を鵜呑みにするなとお話してきましたが、この占いや未来予測は、ある法則に基づくと、なんと100%的中してしまうのです。
その法則とはズバリ「雨乞い理論」の法則です。
雨乞いとは、昔のアニミズム信仰によって生まれたシャーマンによる呪術の一種であり、炎を炊いて天に向かって祈ることにより、雨を降らせるという儀式のことなのです。この雨乞いの儀式は、絶対に成功します。
何故なら、現時点の地球環境では「雨はいつか必ず降るから」です。
こういう「雨が降った」という結果だけを見て「雨乞いの力だ、やはり雨乞いは正しい儀式なのだ」と雨乞いの正当性を論じることを「結果論」と言います。
占いや未来予測による的中は、この結果論をうまく利用したモノもあります。ちなみに占いやカウンセリングの殆どは、相談者から聞いた情報を基に組み立てた推測によって言い当てるのですけど、まあ今回はそこのところは割愛で。
たとえば占いの結果「あなたは近いうちに小さな怪我をすることでしょう。その小さな怪我の因果はやがて大きな怪我と変わり、更に因果は成長していつの日かあなたに災厄となって降り注ぎ、死をもたらすでしょう。ですから、次に怪我をした時には充分に注意し、来たる災厄を打ち砕きましょう。あっ、そこでですが、災厄を打ち砕く良いパワーストーンがあるんですよ!本来なら10万円するところをたったの一万円で・・・・・・。」
と出てきたとします。
これ、絶対に当たります。
まず怪我ってのは人間生きていれば一つや二つ必ずします。ほんで、たまには捻挫したり骨折したり脱臼したり筋肉痛、腰痛、四十肩、片頭痛、内臓疾患、その他疾患を起こしたりして、歳をとればとるほどその確率は上がり、そして人間、どうしたっていつかは病んで死にます。
怪我が大きいか小さいかは本人の主観次第なので、捻挫や脱臼や腱鞘炎でも大きな怪我と認識することはあります。まして、占いの結果を信じてしまっていては、アンカリングによって余計それらが「ああ!あの時に占い師さんの言っていた大きな怪我だ!」となってしまいます。
突然ボロ布をまとった髭もじゃのおっさんが現れて叫び出したとします。
「ああ災いだ、人々よ耳のある者は聞け!このニッポンという国は終わる!10年以内に必ずや大地震が起こり、人々は逃げまどい、経済は混乱するであろう!」
ニッポンという国が終わることは流石に的中しないかもしれませんが、10年以内に大地震が起こって経済が混乱することは的中します。
雨乞いは信じないのに、何故か占いや未来予測は信じてしまう。占いや未来予測は信じなくとも、科学的なエビデンスがあるからという理由で妄信してしまう。それらは的中しても「結果論」に過ぎないので、リスクヘッジのために信じるのは良いですが、崇拝してしまわないように注意しましょう。
以上、雨乞い理論(結果論)のお話でした。
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