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季節性アレルギー性鼻炎に対する鼻噴霧ステロイド薬と抗ヒスタミン薬内服薬は、どちらがより有効?:メタアナリシス|2024年11月22日

■ ブログで公開した内容の深掘りです。

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アレルギー性鼻炎治療で点鼻薬が推奨される中、経口薬との効果との比較に関するメタアナリシスが実施されました。

■ アレルギー性鼻炎の治療薬には、主に2種類あります。
すなわち、鼻に直接スプレーする薬(点鼻薬)と、飲み薬(経口薬)です。

■ 2020年に発表された国際的な治療ガイドラインでは、症状が中程症以上の患者には点鼻薬を使うことが勧められています。
■ その理由は、効果が早く現れ、より高い効果が期待できるからです。

Next-generation Allergic Rhinitis and Its Impact on Asthma (ARIA) guidelines for allergic rhinitis based on Grading of Recommendations Assessment, Development and Evaluation (GRADE) and real-world evidence
J Allergy Clin Immunol. 2020; 145:70-80.e3

■ しかし、この推奨を裏付けるエビデンスは、実はあまり確実なものではありませんでした。

■ また、米国治療ガイドラインでも、点鼻ステロイド薬を第一選択として推奨していますが、飲み薬との比較データが十分ではありません。

Rhinitis 2020: a practice parameter update. J Allergy Clin Immunol. 2020; 146:721-767

■ そして、そもそも日本では、経口薬のほうが先に使われることのほうが多いでしょう。
■ このような背景から、点鼻薬と経口薬のどちらがより効果的なのかを示すために、メタアナリシスが実施されました。


この論文でわかったことをざっくりまとめると?

12歳以上の季節性または通年性アレルギー性鼻炎患者を対象とし、35研究(データベース検索4,631件から選定)において、点鼻ステロイド薬または点鼻抗ヒスタミン薬と、経口抗ヒスタミン薬またはロイコトリエン受容体拮抗薬の効果を比較検討した。

✅️点鼻ステロイド薬は経口抗ヒスタミン薬と比較して、総鼻症状スコア(平均差 -0.86)、総眼症状スコア(平均差 -0.36)、鼻結膜炎生活の質調査票(平均差 -0.88)のすべてにおいて有意な改善を示した。
【簡単な解説】鼻からスプレーするステロイド薬は、飲み薬と比べて、鼻づまりやくしゃみなどの症状、目のかゆみなどの症状、日常生活の過ごしやすさのすべてにおいて、より良い効果がありました。

✅️点鼻抗ヒスタミン薬は経口抗ヒスタミン薬と比較して、総鼻症状スコア(平均差 -0.47)と鼻結膜炎生活の質調査票(平均差 -0.31)において、より効果的な改善を示した。
【簡単な解説】 鼻からスプレーする抗ヒスタミン薬も、飲み薬と比べて、鼻の症状や日常生活の過ごしやすさの改善に、より効果的でした。



以下は、論文の解説と管理人の感想です。

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