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無理に意味を見出す必要はない

先日ある映画を見た時、ふと「あのシーンは何を伝えたかったんだろう」と疑問に思う場面があった。

そんなときある方からいただいた言葉
「すべてに意味を持たせなくてもいいんじゃないかな?」

この言葉が、私にはけっこう刺さった。
ただただ「たしかにそうだよね」って思った。

というのも私は、結構前から「作品」に触れることが億劫になっていた。映画にしても、ドラマにしても、小説にしても…
せっかくオススメしてもらっても、すぐには手が出せなかった。

あんなにテレビを見るのが好きだったのに。本を読む時間が幸せだったのに。あの頃の高揚感は、どこへ行ってしまったんだろう。自分でもわからなかった。

だけど

「すべてに意味を持たせなくてもいいんじゃないかな?」

その言葉で、ああ、そういうことかって、腑に落ちた気がした。


私は、すべてにおいて「意味」を見出そうとしてたのかもしれない…

映画やドラマを見たら、本を読んだら、何かしら作品と向き合ったからには、私は必ずそこから何かを得なくてはいけない、学ばなければならない、そう思い込んでた。映像ひとつにしても、それは何を伝えたいのか、言葉ひとつをとっても、作者さんが何を言いたかったのか、感じ取らなくちゃ!

と、触れる前から作品に前のめりに意気込んでいた。触れる前から触れようとしてた。触ってないのに、そのものの感触を感じようとしてた。

そんな姿勢だったから、作品を目の前にして、まだ開いてもないのに、対面してないのに、すでに億劫になってしまってたのかもしれない。

私はいつからか、作品から「意味」を見出すことに躍起になって、でも作品によっては理解できなかったり、合わなかったり、何も感じなかったり、そんな自分の感受性の乏しさ、知性の低さを思い知らされる度にがっかりして、結局、作品というものから逃げてしまっていた気がする…

…初心にかえる

すべてに意味を持たせる必要なんてない

ただただテレビを見るのが好きだったあの頃
映画という贅沢な娯楽にひたすら憧れてたあの頃
本を楽しみに学校から帰ってきてたあの頃

作品に触れたときに
なんとなく涙が流れた
説明できないけどクスッとなった
挿入歌に惹き込まれた
役者さんのお洋服が可愛かった
映像が綺麗だった
なんかおもしろかった

それでいいのかもしれない

初めて耳にする音楽に
言葉では説明できない
不思議な感覚で魅了されるように

日常で、どうしようもなく
惹かれる誰かがいるように

好きな理由なんていらない
合わない理由なんていらない

ただ  それ  に触れる
ただ  それ  を感じる

まっさらな気持ちで
変に意気込むことなく

ただ  それ  と向き合う

ああ、そういうことだよね
肩の力抜いて
変に勘ぐったり考えたりしないで
浅くたっていいんだよね

得られなくてもいいんだよね

思い出させてくれて、ありがとう。




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