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集大成の個展、完結しました

先日開催された個展「all this time」は、好評のうち閉幕いたしました。
ご来場頂いた皆さま、関係者さまに深く御礼申し上げます。

今回の個展は今までより少し特別で、"集大成" と銘打っています。
2019年に九死に一生の事故に遭い、作家として筆を折りかけてから、リハビリ、コロナ禍、家族の病気などを経て今に至るまでの「すべて」=「all this time」。
タイトルにはそんな意味合いを込めました。

年を経るごとの画風変化も今回の見所で、
2019年初頭のパワー漲る筆致が、2020年の事故後には白ベースの光を捉える描き方に。2021年はそこから少し色味を取り戻し、2022年はようやく生命力を取り戻した画風に。
どの時代の画風が好きかは観る人によると思いますが、私にとってはどの時代も大切な歴史の一欠片なのです。

2019年に描いた黄色い黄金畑の絵は、マチエールも強い。
技術力が及んでいないが勢いはある。
2022年以降の作品たち。フォルムがくっきりしている。
やや陰影も増している気がする。


中央の大作「Time leap at coffeecup」は2020年作。
淡く白ベースの作風が、光への憧れと儚さを纏う。
こちらも中央大作「感光する憧憬」が2020年作。
"白い時代" を代表する、水面の光り方をしている。

作家には◯◯の時代、というのがあるんだなぁとしみじみ感じます。ピカソの青の時代然り。
それはやはり作家自身の人生と深く紐づいているからで、山も谷もない人生は存在しないからなんだなと。
-この時代の絵が好き、よく描けてる。こっちの時代の絵はイマイチ。- というのは見る側に生じがちですが、「点でなく線で見てほしいなぁ」とも思います。どの時代も通過しなくては、次の時代の絵は生まれないのです。

 さて、これからをどうしようか。
一つの目標であった、「大作をズラリと並べた、大規模な個展をすごいギャラリー華々しくする」というメインクエストをクリアしたその先は。

"作品の完成度をより高い領域まで昇華させる" というのはもちろんのこと。さらに大きな舞台を目指して研鑽していきたい。
そしてもう一つは、「何があっても芸術と添い遂げる覚悟を持つこと」
これはのだめカンタービレでオクレール先生が言ってたセリフでした。
時には筆を折りたくなる出来事に遭遇することは、人生長いのであるとは思います。
けれど、自身が望めば表現は無限大で、芸術の世界はいつも私の脳と腕に宿っているのだと。
それが、この数年で自分が知り得たものでした。

多くの方に自分の世界を知ってもらう。
漠然とはしていますが、人生とともに芸術を育んでいく決意をした一週間でした。

最後に、ギャラリーさんで作って頂いた個展のムービーを公開します📽️
素敵に編集して下さり、昼と夜の会場の違いなども比較してご覧いただけます。
現地までお越しになれなかった方も、こちらで雰囲気だけでも感じてもらえたら嬉しいです。

個展の作品は、閉会後2か月はギャラリーさんHPにて掲載販売されています。
気になる作品あればお問い合わせ下さいませ。


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