「叱ると一時的には効果がある。しかし、本質的な解決にはならない。むしろ、相手は活力を奪われ、ますます言うことを聞かなくなるだろう」
叱っても罰しても本質的な解決にはならない
「こら!やめなさい!」と怒鳴りつければ、子供は一時的にその行動をやめるでしょう。
「そんなことしたらおやつ抜きだからね!」と子供を脅せば、一時的には意のままに動かすことができるかもしれません。
しかし、これら「叱る」「罰を与える」「脅す」は、あくまでも一時的な効果しかありません。
子供が問題行動を取らなくなる、という本質的な解決には、むしろマイナスになることの方が多いのです。
仕事に置き換えて考えてみる
業務習得中の若い従業員A君を例に考えてみましょう。
A君は今の職場に異動してから約1年が経過しようとしています。
しかし、A君は業務習得が思うように進みません。
仕事でもミスを連発してしまいます。
教育係のBさんはそんなA君に「いつになったらこの仕事覚えるんだ!」
「また同じミスをして!何回同じミスをするんだよ!」
「もう他のことやってもらうしかないんじゃないか?」
このような指導をしていたら、A君はどのように受け止めるでしょうか?
「勇気くじき」をしてはいけない
Bさんの指導により、A君は自信を失い、深く傷つき、勇気をくじかれます。
そしてA君は、課題に挑戦するやる気を奪われ、課題から逃げ出し、しまいには言うことを聞かなくなってしまうでしょう。
Bさんの指導は、逆効果でしかないことが分かります。
本質的な問題解決とは何かを考える
しかしBさんはそのことを知りません。
ですから一時的なその場しのぎを本質的な問題解決と勘違いするのです。
仕事を覚えられない、ミスを連発する、という事象に注目して、それを叱っていては本質的な問題解決にはなりません。
A君のメンタルが削られ、Bさんもイライラが増すだけでしょう。
本質的に問題解決するには、BさんはA君と対等の目線で会話をするのです。
なぜ、仕事を覚えられないのか、ミスを連発するのか、その原因を2人で対等の目線で会話することで明らかにするのです。
上から目線ではうまくいきません。
そして、どうやったら改善できるのか、これも2人で対等の目線で会話することで明らかにして、あとはA君が最終的にやるかやらないか決める。
これこそが、本質的な問題解決だと思います。