藤原 剛史|キャリアコンサルタント
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「世話焼きは、勇気くじきである。世話焼きは『どうせ無理でしょ』と手を貸すこと。勇気づけは自立させること。『きっとできる』と見守ること」
アドラーとの思い出フランク・バボット婦人はアドラーに関する思い出をこのように語っています。 「アドラーは小さな息子を本当に丁寧に、息子が自分はとても大事にされていて自分に能力があるのだと感じられるように、扱ってくれました。アドラーのオフィスで、わたしは、息子がコートを脱ぐのを手伝おうとしました。このときアドラー博士は、すぐに私を注意しました。それでわたしは気がつきました。小さなフランクは今や大きくなって、自分で何でもできるようになっているのだ、と。こうして自信を持った息子は
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「感情を変えようとしても無駄である。感情の根本にある『性格』を変えるのだ。『性格』を変えずして感情を変えることはできない」
認知行動療法うつ病や不安障害などに有効とされ、現在、世界中で広く用いられているカウンセリング技法が「認知行動療法」です。 北米アドラー心理学会会員であり、人間性心理学を代表する一人であるアルバート・エリスや、認知行動療法を体系化し、アドラーの影響を色濃く受けているアーロン・ベックらによれば、人の思考、感情、行動は認知により決定されるといいます。 どのように認知するか例えば、失敗をしたときに「もうダメだ。人生は終わりだ」と認知するのか、それとも「誰にだって失敗はある。またや
「大きな悲しみと涙は、他者への攻撃であり非難だ。他者を告発する裁判官となることで、相手より上に立つ。しかも、弱さにより、慰めと親切まで手に入る」
怒りと悲しみは同じ?大げさな「悲しみ」の目的は「怒り」と同じである。 すぐには納得できないかもしれません。 しかし、アドラーは両者の目的は支配である、と言っています。 水の力アドラーは「涙」を「水の力」と呼びました。 そして、涙に代表される弱さを「弱さは強さである」と言いました。 涙を流す弱者を攻撃することはできません。 その主張を受け容れるしかなくなります。 弱さは相手を支配する最強の武器になり得るというのです。 誇張された悲しみまたアドラーは、悲しみは「過度に
「『怒り』は相手をねじ伏せ、支配するために使われる。相手を犠牲にして自尊心を高める、安っぽい方法である。しかし、しばしうまくいくため、常用される」
怒り「怒り」は「嫉妬」以上に多用される「人と人とを引き離す感情」です。 怒りの最もポピュラーな目的は「支配」です。 怒りを使って、大きな声を出し、感情をむき出しにすることで、相手を思うどおりにコントロールするのです。 そして、それにより優越感を感じます。 「他者を犠牲にして自尊感情を高め」個人的な優越性を手に入れるのです。 相手との間が引き離されるのは当然のことと言えるでしょう。 怒りの感情を使っていた自分かつての私は、怒りの感情を使って部下を従わせようとしていま
「私たちは『感情』という得体の知れないものに支配されているのではない。自分の向かう方向や態度に自信がないとき、感情を創り出し、自分の背中を押しているのだ」
感情「もしも人間に感情がなければ、誰一人結婚する人はいないだろう」 アドラー派の人がよく語るジョークです。 感情は、どこからか忽然と現れる得体の知れない存在ではありません。 自分自身が自分の背中を押すために、自分で創り出し、自分で使っているのです。 恋愛感情恋愛感情に溺れて告白してしまうのではありません。 告白するために恋愛感情を自分の中で創り出し、高めることで、自分の背中を押しているのです。 怒りの感情怒りの感情も同じです。 若かった頃の私は、怒りの感情を抑えら