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読書感想文『スマホ脳』スティーブ・ジョブズは子どもになぜiPadを触らせなかったのか

こんにちは。

今回は衝撃的なキャッチコピーで話題となっている『スマホ脳』を読んでの感想を書きます。

教育大国スウェーデンの著者が、人間が自らをさらしている危険についてつづっており、世界的ベストセラーとなっています。

スウェーデンでは9人に1人が抗うつ薬の処方を受けているといいます。寿命がのび、栄養も十分にとれ身体は元気になり、欲しいものはボタンひとつで手に入るこんな時代にも、人々は長期にわたるストレスを受けてうつを引き起こしています。
世界的に見ても、うつや睡眠障害に悩む患者が過去にないスピードで増加しています。
こうした状況の背景にあるのがスマホだといわれています。

現在、大人は1日に4時間をスマホに費やしています。10代の若者4〜5時間になるそうです。
そんな時間がどこにあったのかと驚いてしまう数字です。
このような行動様式の変化はここ10年での出来事です。
スマホの登場から、この短い期間でわたしたちにどんな影響を与えてきたのか、まとめてみます。

ドーパミンの役割

ドーパミンの最も重要な役割は、何に集中するかを選択させること。つまり、人間の原動力といえます。

お腹が空いているときにテーブルに食べ物が出てきたら、それを見ているだけでドーパミンの量が増えます。つまり、ドーパミンが増えるのは食べている最中ではなく、その食べ物を食べるという選択をするためです。
スマホも同じように、ドーパミン量を増やします。
チャットの通知が届くとスマホを見たい衝動に駆られ、スマホを見るという選択をします。
大事な用事ではないだろうとわかってはいても、スマホを確認したいと思っているのはドーパミンが出ているからなんですね。

そして、脳には新しいものへの欲求があります。
スマホが運んでくる、新しい知識や情報への欲求により、スマホのページをめくるごとに、脳がドーパミンを放出し、その結果、わたしたちはクリックが大好きになります。
しかも実は、今読んでいるページよりも次のページに夢中になっています。
ニュースや記事を見ていると次から次へと時間を忘れてスマホを見ているのはこのせいです。

IT企業トップは子供にスマホを与えない

IT企業のトップたちは、自分たちが開発した製品に複雑な感情を抱いているといいます。

スティーブ・ジョブズはiPadは子供のそばに置くことすらしない、そしてスクリーンタイムを厳しく制限していると話しています。

また、ビル・ゲイツは子供が14歳になるまでスマホは持たせなかったと話しています。

世界を変える発明をしたにも関わらず、その影響力の大きさを自分の子供には与えたくなかったというのは考えさせられます。

サイレントモードでもスマホはわたしたちの邪魔をする

集中力も作業記憶も、わたしたちが複数の作業を同時にしようとすると悪影響を受けます。
集中する先を切り替えた後、再び元の作業に100%集中できるまでには何分も時間がかかります。
勉強や読書をしているときに、メールやSNSの返信をして、元の作業に戻るのが難しいといつも感じていました。マルチタスクというのは集中する先を切り替えているだけなので、作業効率は悪いということになります。

大学生500人の記憶力と集中力を調査すると、スマホを教室の外に置いた学生の方が、サイレントモードにしてポケットにしまった学生よりも良い結果が出たそうです。

私たちはなぜ眠るのか

眠っているときも、起きているときと同じくらい脳はエネルギーを消費しています。
睡眠時には、昼間壊れたタンパク質が老廃物として脳から除去されます。
この老廃物は1日に何グラムにもなり、1年間で脳と同じ重さの「ゴミ」が捨てられることになります。
夜ごとの巡回清掃は、そもそも脳が機能するために不可欠です。
長期にわたる睡眠不足は、脳卒中や認知症をはじめ様々な病気のリスクを高めます。
睡眠不足は人間の機能も低下させます。
1日6時間以下の睡眠が10日続くと、24時間起きていたのと同じくらい集中力が低下するそうです。
さらには情緒も不安定になります。
それ以外にも、短期記憶から長期記憶への移行が夜に行われます。

こうした大事な睡眠を妨げてしまうのがブルーライトです。
ブルーライトは眠りにつく時間を身体に知らせるメラトニンの分泌を抑える特殊な効果があります。

また、眠りにつく前にスマホを使うと、ブルーライトが脳を目覚めさせ、メラトニンの分泌を抑えるだけでなく、分泌を2〜3時間遅らせていまします。

報酬を我慢できなくなる

将来もっと大きな「ごほうび」をもらうために、すぐにもらえる「ごほうび」を我慢するのは非常に重要な能力です。
マシュマロをすぐに1個もらうより2個もらうために15分待てる4歳児は基本的に、数十年後に学歴が高くいい仕事に就いているそうです。

複数の調査でわかっているのは、よくスマホを使う人の方が衝動的になりやすく、報酬を先延ばしにするのが下手だという傾向があるそうです。

スマホを遠ざけるために

この本を読んで、わたしの生活から完全にスマホをなくすことは不可能だと思いましたが、意識的に遠ざけてみようと思いました。

そのために、
・自分のスマホ利用時間を知る
・目覚まし時計と腕時計を使う
・毎日1〜2時間、スマホをオフにする
・プッシュ通知をすべてオフにする

以上のことをやってみようと思いました。

デジタルデトックスという言葉もあるように、スマホから遠ざかり、体を浄化して精神的な健康を手に入れたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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