結局、イギリスの大学院ってどうなの?平和学修士を修了して…
あけましておめでとうございます!
2023年、修士修了のために足早で走ってきましたが、9月の修士論文提出を通して10月末に卒業確定が通知されたので、先月上旬にブラッドフォード大学の卒業式に参加し、無事卒業しました!
そして実は8月末からケニアに2ヶ月半滞在しインターンをしていました。その時の話や卒論の内容などはゆっくり書いていこうと思いますが、先にイギリスの大学院生として経験したことや大学院生活を終了したことについての感想を書きたいと思います。
イギリスの大学院に進学し、一年以上イギリスで修士課程を得る過程で思ったこと、綴ります!
最初はネガティブな印象から。主に5つあります。
1つめ、1年間という修士課程が短すぎる。
イギリス大学院留学前に書いた↑のnoteではイギリス大学院を選んだ理由の1つとして、修士取得に1年のみ要するから、と書きました。
通常2年かかる修士課程が1年で修了できるなんて、なんと時短だ!と思ってました。(学業に時短もなにもないんですけどね…まだ幼い当時の私よ。)
しかし、大学院を卒業した今、1年間という研究を含めた学習期間は到底足りない印象を受けています。
セメスター全体を通して常に忙しく、日々過ぎる時間があまりにも早すぎました。そのため、1つ1つの授業や授業で扱った紛争の事例などをめちゃくちゃ細かく十分に深堀りできなかったなという想いが強いです。はい、これ終わった、次のやつ!というように、授業でカバーする部分だけを予習・復習していたのでそれ以外の観点から事例を調べられていなかったり、しました。
もし2年間の修士課程を選んでいたら、より深く時間をかけて学べていたのではないかと思います。
また素敵すぎる出会いが沢山あったがゆえに1年は「さよなら」を言うには早すぎる期間でした。2年間の過程だったら、もっと仲間たちと国際社会で起きていることやプライベートな話も飽き飽きするほどできたのかなと思うとイギリス大学院の留学時間は短いですね。
2つめ、ストレートで行くべきだったかどうか。
これはイギリス大学院だから考えたことではないですが、私は大学卒業後、そのまま大学院に進学しました。学びたいことがあるなら、そのまま学びを続ければいいと思っていたからです。
けど入学したら周りは30歳以上がほとんど。社会人を経験した後、大学院に進む人たちに囲まれた中、自分の無知さを痛感する場面が多くありました。
社会や世界を見てきた彼らの観点は自分より広く、多く、英語力をはじめ、社会で必要とされるスキルもしっかり備わっており、比べて自分はノートをどれだけ綺麗にまとめられるか、ぐらいしかスキルはなく、まだまだだなと感じることがありました。
社会人を経験してからでも大学院に進むのは遅くなかったのではと考えることがある大学院生活でした。
3つめ、学業を目的とした学生が少なからずいる。
これはブラッドフォード大学だけかもしれませんが、セメスター全体を通して、学生の民度が低すぎる印象を受けました。
授業中はこしょこしょおしゃべりが煩くて教授の声は全然聞こえないし、プレゼンの内容なんて、パワポを持ってくるはずがワードでプレゼンしてて、え?これが修士レベルだと?と思うほどレベルの低さでびっくりすることが何回かありました。
授業にそもそも来ない生徒も多く、グループワークなどがあるときは相手の不真面目さに苛立つことも少々…。
高い学費払って学びに来てるなら真面目に受ければ良いのに…と思っていましたが、彼らが不真面目なのは、彼らの目的が学業ではなかったからです。
彼らは学生ビザを通して申請できる就労ビザが真の目的であり、家族を連れて移住できる最初の一歩として学生ビザという手数料を払っている。だから別に授業に参加しなくても、課題をやらなくてもいいことを後に知り、納得しました。クラスの全員が自身の想像していたザ・大学院というレベルではなかったので、その点では残念でした。
4つめ、大学のスケジュール調整力の欠如
これもブラッドフォード大学だけだと思いますが、スケジュール面で大学側の仕事が遅すぎたのがもう1つの残念ポイントです。
コロナ禍後、正式に対面授業が始まるということで大学側が今後の大学運営のため、通年以上に多くの留学生を呼び込んだことが原因だと思いますが、1クラス350人以上の学生、それにより遅れる課題の採点や卒論のスーパバイザ―の割り振り、結果的に全体スケジュールの遅れに繋がることが本当に多かったです。
こんなにも “well-organized” されていない大学システムにびっくりしました。
しかし、話を聞くと、今年は去年と比べて留学生の数がぐんと減っているようなので、大学側も制御可能になっているそうです。
5つめ、ストライキが多すぎる。
何かある度にストライキがあるイギリス。
大学の先生方によるストライキのせいで、授業が休講になることもしばしば…。先生方のお給料ももちろん大切ですが、学生側も決して安くはない学費を払ってるんだから授業してください…と思うこともありました。
学業とは関係なくなりますが、ストライキで一番イライラしたのは交通面。隣町のリーズやロンドンに行くときに突然のストライキに見舞われることも多く、何度チケットの返金を申請したか、というほどです。通常3時間で行けるロンドンへの旅が9時間くらいかかったこともあり、イギリスのストライキには結構苛立っていました(笑)
とまあ、ネガティブな印象を書きましたが、だからといってこのイギリス大学院留学が最悪だったわけではありません。
特に
〇インターナショナルな環境
〇人脈の広がり
〇専門的な知識と英語力
という3点において、イギリス大学院への留学を決めてよかったと心から言えます。
世界各国から留学生が集まるイギリスでは、とてつもなくインターナショナルな話題や考え方が飛び交います。そして30歳以上の同輩がほとんどということもあり、色んな社会経験を積み、様々な仕事を行っている人と出会うことができました。またイギリスだからこそ学べる平和学の視点・知識やアカデミックにおける英語力は1年を通して向上したと感じます。
これらは現地に行かないと絶対に得られないものでしたし、これらを経験できただけでもとてつもなく有意義な留学で、進学を決めた自分は間違っていなかったと胸を張って言えます。
総じて、このイギリス大学院留学は濃密な時間であり、自分の人生において必ずプラスの影響力をこれからも与え続けてくれる経験になったと思います。
卒論やケニアでのインターンはゆっくり更新していきます!