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半年ぶりに地元の川で へらぶな釣りをして心癒された話
今日は、約半年ぶりに地元のとある川に へらぶな釣りに行ってきました。
何故この川へ釣行したのか
私がこの川に訪れるのは、毎年5月か厳冬期の12〜1月頃でした。(2020年〜2021年はコロナ禍のためきていませんでしたが。)
5月に此処を訪れる理由:
毎年ゴールデンウィーク頃に、 へらぶな達の産卵期に当たる「乗っこみ」を迎えるため、45cm、ヘラ師の間で言う所謂「尺半」超えの へらぶなを狙うため
厳冬期に訪れる理由:
夜釣り(完全に日が暮れた後に明かりの付く浮き「電気ウキ」を使って へらぶなを釣る)で比較的大物(30cmオーバー)の へらぶなを狙うため
このため、例年は11月上旬には別の川に へらぶな釣りに行っているのですが、釣り仲間の情報によると、その川は最近あまり魚が釣れていないとの事でした。
更に、この数年の間に、地元を流れる少し大きめの川ではどうやら密猟が行われているとかで、 へらぶなの数が激減しているようなのです。
そんな事もあり、久々に1日予定が無くフリーで、我が家の車も使われていなかったので、妻から
「今日は釣りに行って良いよ。」
と了解を貰えたのに、いつもなら喜んで釣り場に向かうはずが、目的地が定まらず、何となく出掛けるのが億劫になっていました。
とは言え、家でぐだぐだして折角のフリーの1日を棒に振ってしまうのも勿体無いし、何より今日は天気も良く暖かい予報にも関わらず、明日は一点雨の予報とのこと。
そこでまずは地元の釣り場を家から遠い場所から近い場所に向かってパトロールしつつ、釣れそうな雰囲気の場所が在れば、そこでひとまず竿を出してみる事にしました。
そんなわけで最初に向かったのが、この川。
本当は、さ〜っと雰囲気を見るだけで次の釣り場に向かうはずでした。
ところが、現地に到着すると、まず目に飛び込んできたのが、川の両側の土手のあちこちに釣り人達の車が停められている様子でした。
「あれ〜。この川って今の時期もヘラ師入っているのかぁ。・・・と言うことは、 へらぶなが釣れてるってことだよなぁ。」
へらぶな釣りでは、釣り場にどれだけヘラ師達がきているかも重要な判断材料です。
例年ヘラ師達がよく通う釣り場に誰も居なければ、それは今この場所ではあまり釣れていないという事を意味します。
特に何十年も 地元の川でへらぶな釣りをしている年配のヘラ師達は情報網が凄いので、この時期
「何処の釣り場で へらぶなが釣れている」
と言う情報は仲間の間にすぐ広まるのです。
そんな訳で、いきなり最初のパトロールポイントで、竿を出すことが決定しました!
今日の釣り座
土手のあちこちに、草を刈ってあり川辺までアクセスできるポイント(通称、「穴」)が空いているのですが、風向きや太陽の方向、釣り座周りの障害物などの状況を確認して、良さげなポイントに入りました。
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ですが、釣り台後方に雑草が生い茂っていて、魚が掛かって取り込みをする時に、竿を立てて後方に倒すと仕掛けを引っ掛けてしまいそうでした。
そこでまずは鎌を使って邪魔になりそうな雑草や枯れ枝を刈り取りました。
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これで竿の準備が出来ます。
スタートは、12尺(3.6m)の竿、ダンゴとグルテン、バランスの底釣りでスタート。
最初の仕掛けとエサ
(仕掛け)
竿:12尺(DAIWA 兆)
道糸:1号
ヘラウキ:エバートラスト底釣り用
ハリス:上30cm(0.6号)、下40cm(0.6号)
ハリ:上6号、下5号
(エサ)
ダンゴエサ:ダンゴの底釣り夏1、ダンゴの底釣り冬1、水1.5、スーパーD1
クワセエサ:いもグルテン1、凄グル1、水2
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いよいよ釣り開始
釣り場は無風、私が座っている場所は日陰ですが、上着なしの長袖のTシャツでちょうど良いくらいの陽気。
腕時計で気温を見たら22℃。
この時期としてはかなり暖かいですね。
時々、川面スレスレの高さを瑠璃色の美しい鳥がスーッと飛んでいきます。恐らくカワセミだと思います。
静まり返った水面、川の対岸の木々が映り込んで、まさに鏡のようです。
空を見上げれば澄んだ青空と白い雲、そして暖かな日差し。
静寂の中でウキのトップが微動する瞬間を待って全神経を集中します。
この瞬間、ウキの動き以外一切の他のことは頭の中から排除されます。
同時に心の中でカウントを数えているので、自分で決めたカウント数でウキが動かなければ、エサを付け替えて、再度、出来るだけ同じポイントにエサが投下されるように仕掛けを振り込みます。
雰囲気的にはいかにもウキに動きが出そうなのですが、なかなか魚がエサに食いついた反応が出ません。
1時間ほどエサ打ちを繰り返した後、昼食の時間にして一旦床休め(とこやすめ)します。
床休めとは、連続的に長時間エサをポイントに打ち込み続けた後、一旦中断して時間を置く(例えば食事や休憩をして30分程度)事です。
こうすると、1箇所に大量に打ち込まれたエサの粒子が水中で漂っていたものが水底に沈殿し、エサ打ちポイントの状態が落ち着き、エサ打ちを再開した直後にアタリが出ることがあります。
仕掛けを変えてみました
このタイミングを機に、竿の長さを変える事にしました。
へらぶな釣りでは、竿にリールが付いていないため、竿の先端に結んだ仕掛けの長さは変えられません。
仮に魚の反応があるポイントが、今使っている竿に結んだ仕掛けで届かないような、もっと川の中心部に近い場所の時は、使用する竿の長さを変えて(仕掛けの長さも変わる)対応します。
2番目に使った竿と仕掛けは以下の通りです。
竿:15尺(プロックス 翔仙景)
道糸:2号
ヘラウキ:エバートラスト底釣り用
ハリス:上23cm(1号)、下33cm(1号)
ハリ:上6号、下6号
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心が落ち着いて癒されます
15尺とは4.5m。仕掛けの長さは竿の長さより20〜30cmほど長いです。
このポイントは水深が1.5mほどあるので、ウキの位置は釣り座から7.5mほど先にあります。
そこにあるウキのトップ(目盛部分)が水面に出ている長さは4cmほどで、その目盛の1目、長さにしてわずか1cmほどが水中にわずかに入る動きに反応して合わせます。
12尺の竿で届く場所では無反応だったウキが、竿を15尺にしてエサを数投した頃から少しずつ反応が出てきました。
どうやらこのポイントの水深1.5m付近の水底に魚が集まっているようです。
13:59、待望のアタリ
そして13:59、第1回目のアタリがありました。
ウキの反応に合わせて竿を立てると、ズッシリとした重量と、仕掛けを沖に引っ張っていくパワーを感じました。
片手では竿をのされてしまいそうだったので、両手で竿を持ち、魚が水草に逃げ込まないよう竿をコントロールしました。
何度も抵抗されながら、無事玉網に収まった魚がこちらです。
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陸に上げて、採寸のための自作尺測りに魚を乗せてみました。
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顔がマブナっぽいです
人によってはこれを へらぶなと判定する人もいるのでしょうが、私の判定は、「半ベラ」です。
半ベラとは、マブナと へらぶなのあいのこのことを指します。地域によっては、合ベラ(あいべら)と呼ぶところもあるようです。
この後も、また半ベラ(37.5cm)が釣れました。
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ついに本命が来ました!
そこから約35分後、ついに本命が来ました!
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37.5cmの へらぶなちゃんでした😍
いつの間にか状況が変わってきた
この14時頃からのわずか約1時間の間に連続して半ベラ、 へらぶなのアタリがありましたが、その後はウキの動き方が変化しました。
これまでの、しばらく止まっていたウキが小さくチクっと1目盛分水中に入るアタリから、今度は上下に大きくフワフワと煽られ、いきなり2、3目盛スパッと鋭く水中に入るアタリに。
これはどうやら、エサの近くに集まっている魚の種類が変わったようです。
このような大きく派手なアタリは、通称ジャミと言われる小魚がエサにアタックしている時に出ます。
何度かアタリに合わせては、空振りし、数回目でようやく魚がハリにかかって来ました。
案の定、タモロコでした。
15時を回ると次第に日が傾いてきました。
すると、風はないにもかかわらず、次第に肌寒くなってきました。
それに反してジャミの活性が高くなり、ほぼ全てアタリがジャミのものになり、 へらぶなの御影が薄くなった感じがしました。
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16時過ぎ、エサが無くなったタイミングで納竿(終了)としました。
私にとっての へらぶな釣りとは
今日は思いがけず、この時期のそれも昼過ぎに へらぶなの地合いに当たり、良型の へらぶなを手にすることが出来ました。
このところ毎週のように週末に予定があり、3週間ぶりの へらぶな釣りでした。
日の入りの時間も早くなってきたため、ほんの4時間ほどの短時間の釣行でしたが、 へらぶなも釣れて、秋の色付いた草木と静かな川面を見ながら自然の中で過ごすことで、心の癒しになりました。
私にとって へらぶな釣りは、心の癒し、仮説を立てて実験し、それを検証し、状況を判断して数多くの小さな決断を下し、成功体験を得ることで達成感を得、自己肯定感を回復するための大切なものです。
皆さんも、私にとっての へらぶな釣りのような、自分にとって大切なことってありますか?
長文にも関わらず、此処まで読んでいただきありがとうございました。