店を「地域にひらく」ってなんだろう
上州富岡駅の目の前にある岡田新聞店、
三代目店主の岡田大輔です。
最近、ウチの店でおかしなことがありました。
◼︎すっと入って、すたすた帰る
ある日、いつも通り、入り口脇の
お手製カウンターで仕事をしていた私。
道路に面している場所なので自然と
駅舎や通りを行き交う人が目に飛び込んできます。
すると若い男性が入り口に一瞬立ち止まった後
"すっ"と入ってきました。
"お客さん"かもしれないので
挨拶をしました。「こんにちは!」
しかし、何の反応もなし・・。
すると彼は、店内の電子ピアノの上に
積んである雑誌に手を伸ばしパラパラとめくり、
黙って椅子に腰かけて、その雑誌を読み始めました。
私は思いました。
この人は"お客さん"ではないとすれば
観光客かもしれない。
こう聞いてみました。「どこから来たんですか?」。
それで、ようやくひと言。
「下仁田から」。
・
その後、数分もしないうちに無言で立ち上がり
雑誌をもとの場所に戻し、
何も言わずに店を出て
すたすた歩き去っていきました。
うちを何屋だと思って
入ってみたのでしょう・・?(笑)
◼︎店を交流の場に
この2、3年をかけて、岡田新聞店は、少しずつ変化をしてきました。簡単にいうと「店を改修して、地域の交流の場としてひらく」。
もともと、ここは新聞販売店の事務室ですから、そんなに不特定多数が入ってくる場所ではありませんでした。
しかしきっかけは、2021年から始まった富岡市観光協会の「みんなの富岡フォト&エピソード展」。
私もその運営メンバーで、会場の一つがうちのオフィスです。
もともと新聞販売が業界として落ち込んでいく中で、どうやって生き残っていくのかを考えづづけていたことや、地域との関わり方を変えていこうと思ったタイミングで、観光協会の新井さんから声掛けがあって参加しました。
みんとみ展の会期中もそれ以降も、ここでたくさんの小さな取り組みが生まれています。
最近は、そのことで賞もいだきました。まだまだ手探りではありますが、少しは外からもその変化が見えるようになってきたのかもしれません。
賞もありがたいですが、「下仁田から」のお兄さんのように、実際にそのように人々に認知される、使ってもらうというのが大事かなと思います。
「地域にひらく」って、どういうことかなあ、こういうことかなあと試行錯誤を続けています。
使ってみてもらって、初めて気づくことも多くありますので、もし展示やイベントなどの会場を探している方はお声掛けください。
まずはすっと入って、すたすた帰るでもいいので(笑)
お近くの際は、気軽に寄ってくださいね。
(おかだ だいすけ)