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森美術館で開催中の「ルイーズ・ブルジョワ展」へ

3連休の初日、森美術館で開催中のルイーズ・ブルジョワ展に行ってきました。

森美術館

ルイーズ・ブルジョワは20世紀を代表する女性芸術家の一人。
六本木ヒルズの入り口に立つ、大きなクモの彫刻を目にした人も多いと思いますが、あの印象的なクモの彫刻「ママン」の作者こそがルイーズ・ブルジョワです。

「ママン」はフランス語でお母さんという意味。タイトルのとおり、この作品には彼女の母親に対する複雑な想いや愛情が込められているようです。
インパクトのある巨大なクモという印象しかなかった展示物でしたが、この作品の意味を知ることで、家族を守り続ける女性の強さと、しなやかな優しさが感じられるようになりました。

《かまえる蜘蛛》


《蜘蛛》


展示の中には、彼女の不安定な心理や精神分裂への恐怖を象徴するかのように、腕や耳、頭など身体の断片を象った彫刻が台上に並べられていた作品があります。

これらの作品は、一見するとシュールで奇妙にも感じられますが、彼女が抱えた心の傷やトラウマ、そして自己の分裂と再生に対して執拗なまでの探求心がなんとなく見えてきます。
ブルジョアの作品には、常に内面的な葛藤が影つきまとっており、彼女の人生がそのままアートとなって表現されているようです。

《シュレッダー》
《拒絶》
《部屋X(肖像画)》

印象的だった、金色の彫刻《ヒステリーのアーチ》

《ヒステリーのアーチ》


53階からの東京の空をバックに、天井から吊るされた金色の男性の裸体。
重力に逆らうような形で吊り下げられた人体が美しいアーチを描いています。
ブルジョワは、この作品を通じて人間の「ヒステリー」や抑圧された感情、そして社会からの拘束に対する反抗を表現しているそう。
とにかく目を惹く作品でした。

今回の展覧会では、代表作「ママン」に込められた想いや、彼女が悩んでいた感情、困惑、過去が色濃く反映された作品が数多く展示されており、まるで彼女の人生を垣間見るような体験ができました。

《カップル》


この展覧会は日本では1997年以来27年ぶり。しかも出品作は約100点に及び、国内最大規模の個展だそうです。
2025年1月19日まで開催されているようなので気になる方は足を運んでみてくださいね。

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