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私が高校生の進路を応援する理由

私が、この仕事をするきっかけとなったのは、専門学校に事務職として転職した時のことです。

部署は事務局、事務処理や学生募集、就職指導など教える以外は何でもやっていました。主に学生募集を担当していた私は、入学を考える高校生に対して学校の説明をし、入学者を増やすことに日々奔走していました。

ある日、保護者と共に高校3年生の女子生徒Aさんが来校しました。お母さんがとても積極的な方で、「資格を取らせたい」「手に職を付けさせたい」と話し、とにかく娘を入学させたいと話しをしていました。

一方Aさんは一言も話さず…ずっと下を見てつまらなそうにしていました。私はそのことを気にもせず、説明を続けました。後日、Aさんが通っていた高校の担任の先生から「願書を提出したい」との連絡がありました。当時の私は「また入学者が増える」と喜んでいたと思います。

数か月が経ち、Aさんの入学面接試験の日がきました。私がAさんの面接をすることになりました。ところが…志望動機を聞いても、高校生活でがんばったことを聞いても、何も答えません。

唯一答えたのは「長所は何ですか?」に対し「私には良いところは何もありません」

面接をストップして「どうしたの?」と聞くと「私はこの学校に入りたくない。私は高校を卒業したら就職したい。親も先生も誰も私の話しを聞いてくれない…」

それを言われた時「なんて悪い仕事をしているんだろう…Aさんの人生なのにAさんの話しを自分も含めて誰も聞いていない」

私は保護者や高校の先生の話ししか聞かず、Aさんの話しを何も聞いていないことに気づきました。

面接をストップした後、約1時間Aさんと進路のことを話しました。今思っていることや将来のこと、色んなことを話してくれました。

その後Aさんは、保護者と高校の先生に自分の思いを話し、Aさんの希望通りに就職が決まりました。

教える大人はたくさんいるが、寄り添う大人はいない…寄り添う大人の存在になろう!

1人の高校生が気づきとチャンスを与えてくれました。

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