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Privacy Talk

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「Privacy Talk」は、Privacy by Design Labが日本のプライバシーバイデザインの先駆けとして立ち上げた、国内外の専門家のインタビューメディアです。 デ…
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#社会

未来のAI社会に向けてプライバシーバイデザインが実現すること

※このインタビューは2024年3月18日に収録されました テクノロジーによる自動化がより発展していく過程で、倫理的な議論がより重要になりつつあります。 今回はイタリアのローマに本部がある国際開発法機構 (IDLO) で専門家として活動されているマキシムさんに、法や哲学の観点から見るべき倫理的な視点についてお伺いしました。 未来のAI社会に向けてプライバシーバイデザインが実現することMaksim: おっしゃる通りプライバシーは我々の尊厳や人々の自律性を尊重する上で本質的な

全ての人が法律で救われる社会を実現するためにできること

※このインタビューは2024年3月18日に収録されました テクノロジーによる自動化がより発展していく過程で、倫理的な議論がより重要になりつつあります。 今回はイタリアのローマに本部がある国際開発法機構 (IDLO) で専門家として活動されているマキシムさんに、法や哲学の観点から見るべき倫理的な視点についてお伺いしました。 全ての人が法律で救われる社会を実現するためにできることMaksim: わかりました。国際開発法機構は発展した平和や持続可能な開発機会の創出に向けた法の

対話を通してお互いの学びを深めていくために必要なこと

プライバシーに関するテーマは、法制度やテクノロジーだけに限らず、歴史的な背景を紐解いていくことが非常に重要です。 今回はコペンハーゲン大学で教授を務めるメッテ先生に、プライバシーの歴史と多様な学術研究が連携することの重要性について、お伺いしていきたいと思います。 前回の記事から 対話を通してお互いの学びを深めていくために必要なことMette:そうですね。過去と現在について対話を行うことは非常に興味深く有益だと思っています。丁度ベルギーのブリュッセルで開催されたCompu

情報へのアクセスがオープンになることで実現できる新しい学び

プライバシーに関するテーマは、法制度やテクノロジーだけに限らず、歴史的な背景を紐解いていくことが非常に重要です。 今回はコペンハーゲン大学で教授を務めるメッテ先生に、プライバシーの歴史と多様な学術研究が連携することの重要性について、お伺いしていきたいと思います。 プライバシーの起源を歴史研究から紐解いていくMette:私が重要だと考えていることは、歴史研究から学びを広げていくことだと思います。プライバシーは可鍛性があり、一時的に感じるものだと私たちは考えています。 西洋

プライバシーの歴史を学ぶことが現代社会を紐解くことにつながる

プライバシーに関するテーマは、法制度やテクノロジーだけに限らず、歴史的な背景を紐解いていくことが非常に重要です。 今回はコペンハーゲン大学で教授を務めるメッテ先生に、プライバシーの歴史と多様な学術研究が連携することの重要性について、お伺いしていきたいと思います。 Kohei:Privacy Talkにお越し頂きありがとうございます。本日はデンマークのコペンハーゲンからメッテ教授にご参加頂いています。メッテ先生がこれまで研究活動を拝見して、非常に感銘を受けています。今日は色

自由を奪われたインターネット自治に向き合う欧州

デジタル空間では新しいルールメイキングが始まっています。これまでオープンだった空間で、事業者に対して様々な責任を要求する動きがあります。 インタビュー前編は、欧州で議論されてきたデジタル政策と国際的な変化に関してお伺いしていきます。 Kohei: Privacy Talkにお越し頂きありがとうございます。本日はベルギーのブリュッセルからGaelleさんとお繋ぎしています。 彼女はこれまで欧州のデジタル政策に長く関わっています。今回は政策の専門家として欧州のデジタル規制

市民がインフラを管理する自己主権型IDモデルへ

デジタル空間はオンラインから徐々にオフラインへと移行が始まっています。デジタル技術によって日々生活する市民がどのような恩恵を受ける事ができるのかというのが一番のポイントになります。 インタビュー後編は、新しいIDによって私たちの日常の変化に関してお話を聞いていきたいと思います。 自己主権型IDは、市民同士の関係性を変える Rob: ここまで紹介してきた自己主権型のIDを活用すると、新しい個人間の関係構築にもつなげていくことができます。そういったIDを導入していく中で、大き