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日本とロシア


自分は、
小学校6年生で広島への修学旅行に行き、
戦争についての学習をしてから、
ずっと“戦争”に対する関心が高い。

それもあり、
歴史の授業に一番興味を持っていたし、
高校のリサーチの授業では「未来の世界対戦」についての研究・発表、
大学の卒業論文では、「15年戦争での日本の加害責任」についての内容を論じた。



戦争について熟知している訳ではない。
むしろ、知らないことの方が多い。
ただ、そんな知識量の私にも、思うところはたくさんある。

今回は、そんな思うところの一つをまとめていく。

テーマは、タイトル通り「日本とロシア」

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ロシアは現在ウクライナに侵攻しているとされ、
ウクライナの一般市民の被害も起きている状況である。

ニュースで流れるロシア側の意見。
その内容から思ったことがある。


今のロシアと、
かつての日本には共通するものがあるのではないか、ということである。


かつての日本とは、
何を隠そう満州事変~終戦までのいわゆる、15年戦争下の日本である。


ここで具体的な内容にまで踏み込むことはしないが、簡単に挙げると、


○侵攻・侵略の正当化

○情報の操作(メディアの統制)

○教育への介入

○国際的な孤立化


以上の4点である。

少し、補足をしよう。


○侵攻・侵略の正当化

ロシアがウクライナへの侵攻を開始した表向きの理由は、民族虐殺に遭っている人たちを守るため、ウクライナの非軍事化・非ナチス化を実現するため、とされている。

民族虐殺が事実かどうか、
ウクライナがナチス化する可能性があるのかどうか、
といったことはさておき、
自国の行為を正当化しているわけだ。

実際は、
NATOの東方拡大の阻止、独裁政権の維持、といった理由もあるとされているが、当然それが目的だと公言していることを聞いたことはない(無論、他国から許されるはずがないからであろう)。

そもそもロシア政府は“侵攻”、“侵略”ではないと言っているわけだが、実際の行動やその正当化する様は、内容は違えど戦時の日本と共通するところがあるのではないだろうか。

そう、満州事変の経緯や、大東亜共栄圏の考えに基づきアジア諸国を支配した、しようとした日本の姿である。

あれもいわば、
客観的に侵攻・侵略とされる行為を自らは正当化していることだと言えよう。


○情報の操作(メディアの統制)

どうやら、ロシア国内では情報が操作され、ロシアの行為が正しいことだとされているそうだ。

とあるニュースで、
ウクライナに住む娘が
ロシアに住む母に現状を伝えると、
「ロシアは侵攻なんかしていない」と言われ
自分の発言を母は信用してくれない
ということがあると報道されていた。

ロシア国内では実際にウクライナで起きていることが報道されていないばかりか、虚偽の内容が伝えられているようである。

戦時下の日本でも、
新聞やラジオなどを通して
ウソの内容(日本の勝利報告等)や戦争を正当化する情報が流されていたのはご存知の通りだ。

戦う兵士たちも騙されている、ということが
ロシア兵士捕虜たちからの言葉で分かったが
そこも共通している点であろうか。


○教育への介入

ロシア教育省がつくった子ども向け動画を見た。
ウクライナの被害はフェイクだ、といった内容で
どうやら学校教育へも導入されているようだ。

まさに、教育への介入。

これの恐ろしさは、
歴史教育を学んだ日本人なら想像がつくだろう。

純真な子どもたちだ。
教えられたことを鵜呑みにする子も少なくはないだろう。たとえ、それが事実であろうとなかろうと。


○国際的な孤立化

現在のロシアも
かつての日本も完全に孤立しているわけではない(味方がいるという意味で)。

ただ、
ロシアへの制裁は強まる一方であり、
他国のロシアに対する見方もかなり厳しい状態。
国連総会でも、ロシア非難決議に多くの国が賛同した。

満州事変~、の行為を侵略であると認定された国際連盟総会を日本は脱退したが、かつての日本も孤立化へと進んでいった経緯がある(まだロシアはそこまでいっていないのかもしれないが)。

これ以上の孤立化の先に、ロシア自身はどんな未来を描いているのであろうか。


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ここまでずらーっと、
現在のロシアとかつての日本の共通点について論じてきたが、具体的な内容は当然異なるだろう。

ただ、方向が類似しているのではないか、という考えである。


ここで言っておこう。

私は何も、
「今のロシアは酷い、最悪の国だ。
だから昔の日本も最低最悪の国だったんだ。」
なんてことを伝えたいのではない。


ロシアのしていること、
そしてそこから広がる世界の情勢を
『他人事』と思っていてはいけない

ということを言いたいのだ。


あー、ロシアがまたいらんことしてるわー。

ほんまアホなことしてるな、ロシアは。


と他人事として考えていてはいけない。

多くの日本人がそうだったように
今のロシア人も騙されているのかもしれない、
洗脳されているのかもしれない。

まずは、
ウクライナ(人)を助けることが第一優先ではあるが、
そうしたロシア人も救う必要があるのではないかと考えている。

ロシア人全員が“悪”というわけではないのだから。


直接的に私の力で、あなたの力で助けることはできないかもしれない。

ただ、
戦時に生きてはいなかったにしても
同じ境遇にさらされているロシアの方のことを
日本の人々は他人事ではなく、きちんと考える必要がある。そう思うのである。


先ほども書いたように、
私がこのnoteを書いたからといって、
世界で起きていることの何かが変わるわけではないし、変えることはできないかもしれない。

ただ、
かつての日本と現在のロシア、
共通している部分があると考えるからこそ
しっかりと今の状況を自分事として知っていきたいのである。


所詮第三者やし…
傍観しているだけでいいか…
遠い国のできごとだから…
敵対しているロシアだから…
そう言って『他人事』として目を背けるのはやめよう。


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最後に…

一刻もはやく戦争が終結し、
悲しみの連鎖が止まることを祈っております。





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