【マイケルポーターの競争戦略】ジョアン・マグレッタ
⬛︎競争とはなにか?
競争の本質は競合他社を打ち負かすことではなく、価値を創造することにある
戦略とは
経営戦略ではなく競争戦略
いかに競争環境にある組織が高い利益を出していくのかを説明するもの
企業の収斂(しゅうれん)
企業ごとの違いが失われ、どの企業も見分けがつかなくなること
ポーターの目指す競争戦略
他社とは違う道筋を選ぶこと
独自性を目指す競争(戦略的競争)
競争の違い
・最高を目指す競争
①一位になる
②市場シェア重視
③最高の製品で最高の顧客に対応する
④模倣による競争
⑤ゼロサム競争
・独自性を目指す競争
①収益を高める
②利益重視
③ターゲット顧客の多様なニーズを満たす
④イノベーションによる競争
⑤プラスサム競争
ブルーオーシャンとレッドオーシャン
ブルーオーシャンは競争のない青い海のこと、つまり競争自体が無意味
レッドオーシャンは血を血で洗うような直接競争
五つの競争要員(業界構造を決定するもの)
①既存の競合企業同士の競争
②顧客の交渉力
③サプライヤーの交渉力
④代替品の脅威
⑤新規参入者の脅威
競争優位
企業が実行する活動の違いから生じる、相対的価格、もしくは相対的コストの違い
投下資本利益率(ROIC)
企業が生み出す利益を、企業に投下されたすべての資金に照らして評価するもの
バリューチューン
企業が製品を設計、生産、販売、配送、サポートするために遂行する活動の流れのこと
バリューチューン分析のステップ
①業界のバリューチューンを洗い出す
②自社と業界のバリューチューンを比較する
③差別化の鍵を現在将来握る活動に注目する
④コストの占める割合が高い、高まっている活動に注目する
一つ一つの活動は単なるコストではなく、製品、サービスに価値を加えるべき段階とし捉える
業務効果
企業が類似の活動を競合他社よりも優れて行う能力のこと
一般には「ベストプラクティス」などと呼ばれる
ポーターの三つの基本戦略
「集中」「差別化」「コストリーダーシップ」
スタック・イン・ザ・ミドル
あらゆる顧客に気に入られようとする企業が、一方では「必要にして充分」なニーズを満たすコストリーダーに、他方では「より多く求める」顧客をよりよく満足させる差別化企業にはさまれ、身動きが取れなくなる状態のこと
トレードオフ
戦略における道路の分岐点のようなもの
何かを得ると、別の何かを失う、相容れない関係のことである
コアコンピタンス
企業が競合他社を圧倒的に上回る能力のこと
優れた戦略の五つの条件
①独自の価値観
②特別に調整されたバリューチューン
③競合企業とは異なるトレードオフ
④バリューチューン全体にわたる適合性
⑤長期的な継続性
10の実践的な意味
①最高を目指す競争は、一見正しいように思えるが、実は自己破壊的な競争方法である
②利益を生まない規模拡大や成長には、何の意味もない
競争の目的は市場シェアではなく、利益にある
③競争優位の目的は、ライバル企業を打ち負かすことではなく、顧客のために独自の価値を生み出すことにある
競争優位は必ず損益計算書に反映される
④戦略には特徴のある価値提案が絶対に欠かせない
だが、戦略はマーケティングだけの問題ではない
特別に調整されたバリューチューンがなくても実現できる価値提案は、戦略的に意味がない
⑤あらゆる顧客を満足させようと思わないこと
一部の顧客を意図的に不満にさせるのが、
優れた戦略の特徴である
⑥戦略は組織がやらないことをはっきり打ち出して、初めて意味を持つ
トレードオフは競争優位を実現し持続させる、
戦略のかすがいだ
⑦優れた実行の重要性を過信してもいけないし、甘く見てもいけない
実行自体は持続的な優位の源泉にはならないが、これに遅れを取ると、どんなに素晴らしい戦略があっても、卓越した業績をあげることはできない
⑧優れた戦略は一つではなく、多数の選択に立脚しており、さまざまな選択間の結びつきのうえに成り立っている
一つはコアコンピタンスが持続可能な競争優位を生み出すことはまずない
⑨不確実な状況下で柔軟性を保つのは得策のように思えても、何の主張主義も持たず、何のとりえもない組織になるのがオチだ
変わりすぎることは、変わらなすぎることと同様、致命傷になりかねない
⑩一つの戦略に徹するうえで、大胆な将来予測は必要ない
戦略に徹することで、イノベーション能力と混乱への対応力がかえって高まる
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