前編【イシューからはじめよ】安宅和人 〜知的生産のシンプルな本質〜
⬛︎悩まない、悩んでいるヒマがあれば考える
「悩む」と「考える」の違い
悩む:答えが出ないという前提のもとに「考えるフリ」をすること
考える:答えが出るという前提のもとに、建設的に考えを組み立てること
悩むと考えるの違いを意識することは、知的生産に関わる人にとって非常に重要
⬛︎イシューとは
A.2つ以上の集団の間で決着のついていない問題
B.根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題
⬛︎バリューのある仕事とは何か
①イシュー度(課題の質)
②解の質(そのイシューに対してどこまて明確に答えを出せているのかの度合い)
バリューのある仕事とは①と②が高い仕事
●バリューのある仕事をするためには
①イシューどの高い問題を絞り込む
②イシュー度が高い順から解決していく
⬛︎イシューを見極める
●仮説を立てる
答えを出すべきイシューを仮説を含めて明確にすることで、無駄な作業が大きく減る
つまり生産性が上がる
●言語化する
言葉にすることで、最終的に何を言わんとしているのかを、どれだけ落とし込めているかがわかる
人間は言葉にしない限り概念をまとめることができない
●良いイシューの3条件
①本質的な選択である
結論によって、大きく意味合いの変わるもの
②深い仮説がある
常識を否定するものか考える、新しい構造で世の中を説明できないか考える
③答えを出せる
イシューの見極めにおける理想は、誰もが答えを出すべきだと感じていても、手がつけようのない問題に対し、「自分の手法ならば答えを出せる」と感じる「死角的なイシュー」を発見すること
●イシュー特定のための5つのアプローチ
①変数を削る
要素を削る、もしくは固定する、絞る
②視覚化する
グラフ化、グループ化する
③最終形からたどる
④「So what?」を繰り返す
だからなに?という質問を繰り返すことで、仮説を具体的にしていく
⑤極端な事例を考える
⬛︎イシュー分析
●イシュー分析とはなにか
解の質を高め向上させる作業
「ストーリーライン」と「絵コンテ」づくり
ストーリーラインづくりには2つの作業がある
①イシューの分解
②分解したイシューに基づいて組み立てること
●イシューの分解
MECE(ミーシー):ダブりもなくモレもない概念
イシューを分解する3つの型
①WHERE...どのような領域を狙うべきか
②WHAT...具体的にどのような勝ちパターンを築くべきか
③HOW...具体的な取り組みをどのように実現していくべきか
●型がないときは「逆算」する
イシューを分解する効用とは
①課題の全体像が見えやすくなる
②サブイシューのうち、取り組む優先順位の高いものが見え易くなる
●分解してそれぞれに仮説を立てる
⬛︎ストーリーラインを組み立てる
典型的なストーリーの流れ
1.必要な問題意識・前提となる知識の共有
2.カギとなるイシュー、サブイシューの明確化
3.それぞれのサブイシューについての検討結果
4.それらを統合した意味合いの整理
ストーリーラインが必要な2つの理由
①単に分解されたイシューとサブイシューについての仮説だけでは論文やプレゼンにはならないから
②ストーリーの流れによって、以後に必要となる分析の表現方法が変わってくることが多いため
ストーリーラインの役割
検討が進み、サブイシューに答えが出る度に、あるいは新しい気づき・洞察が得られる度に書き換え磨いていくもの
問題を検討する全ての過程に伴走する役割
ストーリーラインの2つの型
①WHYの並び立て
②空•雨•傘
●WHYの並び立て
最終的に言いたいメッセージについて、理由や具体的なやり方を「並列的に立てる」ことでメッセージをサポートする
●空•雨•傘
空(課題の確認)•雨(深掘り)•傘(結論)
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