『ダンマと共に仕事をすること』 サヤドー・ウ・ジョーティカ
出典:Working Work with Dhamma - Sayadaw U Jotika
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『ダンマと共に仕事をすること』サヤドー・ウ・ジョーティカ
[これは私たちの敬愛する先生であり善友であるウ・ジョーティカ師からの、仕事をしながらダンマを自身のワークライフに統合しようと試みている在俗の人々(そして僧侶たち!)に向けてのメッセージです。
ウ・ジョーティカ師はミャンマーの僧侶です。彼の言葉は『スノー・イン・ザ・サマー』や『自由への旅』などを含む、非常に広く読まれている何冊かの書籍にまとめられています]
働くこと
私たちの仕事は、私たちの持つ最大限の能力と、最上の態度を表現するものでなければなりません。
私たちの仕事は、私たちがどのような人間であるかを表します。
あなたの仕事は、あなたが何者であるかを表しているのです。
なぜ私は働くのでしょう?それには多くの理由があります。
私が物事を行うのは、それらに興味があるからです。その中には、私が仕事と呼ぶものもあれば、遊びや趣味と呼ぶものもあります。私にとって、趣味と仕事は重なり合うものです。読書は私の趣味ですが、それは仕事でもあります。書くことは私の趣味であり、書くことはまた仕事でもあります。私は自分が本当に好きなことについて書いています。私は自分が本当に感じていること、本当に信じており、実践していることを表現します。ですからそれは自己を表現することなのです。
私たちの仕事は、自己表現であるべきです。もしも私たちの行っていることで自己を表現していないならば、それはとても退屈なものになるでしょう。ただお金を得るためだけに行うならば、それは退屈なものになります。
自分の仕事で本当に自己を表現できているとき、私は幸せに感じます。活力を得るのです。働いた後には安らぎを感じます。
最大限の能力と最上の態度でもって働くとき、あなたが失うものは何もありません。あなたは自分の持つ最上のものを与える。それゆえに、あなたは最上のものを得るのです。また、最上のものを与えることによって、あなたはより良い人間になります。これこそあなたが本当に得るもの。あなたが得るのは「あなたが何者であるか」ということです。
あなたのしていることが何であれ、それはあなたがあなた自身に敬意を表すために行っているのです。
あなたの働き方を見れば、あなたがどれだけの自尊心を持っているかが分かります。あなたが自身をどれほど敬っているかということも。
もしも不正を行えば、あなたは自尊心を失います。自尊心を失えば、あなたは全てを失うのです。
人生には不幸なことがたくさん存在しますが、最も悪いのは自尊心を失うことです。
もしも最大限の能力でもって仕事をしていないならば、あなたは自分自身の名誉を汚しているのですよ。
スピリチュアルな実践
仕事は、それがスピリチュアルな実践の一部となるとき、あなたに喜びをもたらします。
スピリチュアルな実践としての仕事?ええ、そうなり得るのです。全て私たちが行うことは、スピリチュアルな実践になり得ます。
仕事は、私たちの神聖な本性を表現するための機会です。それは一つの実験の場なのです。
テネシー・ウィリアムズは言いました。「働いているとき、私は本当に生き生きとしている」。
もしも同じように言うことができるなら、あなたは素晴らしい人生を送っているのですよ。
私たちは一日のうちの多くの時間働いています。近頃の人々は、電話で仕事について話したり、仕事に関係する資料を読んだりする時間を含めれば、少なくとも大体一日に十時間は働いていますね。
もしも私たちが行っていることの中に意味を見出せなければ、それは何という人生の無駄遣いであることでしょう。
働いているときに生き生きとしていないならば、私たちは半分死んでいるようなものです。
仕事という言葉で私が意味しているのは、何であれ価値あることを行うということです。何か生産的なことを行うということです。ですから奉仕活動であろうと、それは一種の仕事です。それは職業ではありませんが、仕事なのです。職業(Job)と仕事(Work)は、常に同じというわけではありません。行っていることによって自己を表現しているならば、それは私たちにとって仕事です。行っていることによって自己を表現していないならば、それは単なる職業なのです。
そのように私は理解しています。
あなたが行う物事は、それをするための責務があるから存在しています。例えば空港の警備員は、すべての荷物と乗客をチェックするときには、彼らの責務でいっぱいです。もしも彼らが乗客への尊敬を持ち、乗客の安全を考慮して働いているなら、それは彼らにとっての仕事と言えます。もしも彼らが権力を示すために働いているなら、それは彼らにとって単なる職業です。
三人の石切り工
三人の石切り工の話をしましょう。
ある男が採石場に行きました。彼は石を切っている三人の男に会いました。彼は一人目の男に尋ねました。
「あなたは何をしているんですか?」
男は答えました。
「石を切ってるんだよ。疲れるし、暇だし、退屈な骨折り仕事さ。しなくちゃいけないからしてるだけ。金が要るんだよ。」
次に二人目の男のところに行って尋ねました。「あなたは何をしているんですか?」
男は答えました。「これで生計を立ててるんだよ。家族を養うための十分なお金を稼いでるんだ。」
次に三人目の男に尋ねました。「あなたは何をしているんですか?」
男は答えました。
「立派なお寺を建設しているんだ。歴史を作っているんだよ。僕はこの地域で一番美しいお寺を建てるための一員なんだ。それを誇らしく思うよ。僕が切った石は、そのお寺を建てるために使われるんだ。」
この三人の石切り工が、自分たちのやっていることをどのように見て、感じているのか。それらがどれだけ異なっているかを見てみてください。
忙しくしているというのは、お金を得るために何かを行うという意味ではありません。それはあなたが愛している何事かを行うという意味です。自分が愛していることを何もしていないならば、あなたは生きてはいないのです。
そのように私は理解しています。
生きていると感じたいならば、あなたが愛している何事かを行ってください。
愛していることを行っているとき、あなたは生きていると感じられるでしょう。
また、自分が行っていることにより注意を払えば、より生き生きとするでしょう。
ですから、愛することと注意を払うことは、あなたが生き生きと感じられるために最も大切なことです。
これはあなたの瞑想実践にも適用することができます。これはあなたが行うこと全てに適用されるのです。
人々が本当に欲しているものは何でしょうか?
人によって、その答えは異なるでしょう。まずはあなた自身に答えてください!
私の答えはこうです。
人々は、生きていると感じたいのです。
怠惰、無関心、退屈、倦怠といった感情によって、私たちは死んでいるように感じます。
私たちはそのような感情を好みません。特に若者たちは発散するためのエネルギーがたくさんありますから、それらを好みませんね。
私たちは何か楽しいことや興味深いことを行うことで、そのような感情から逃れようとします。
スポーツはその一つですね。またテレビを見たり、ホラー映画や刺激的な映画を見たりすること。
しかし、私たちにできるもっと良いこともあります。知識を持っている誰かと、何かについて議論すること。何か行動して学ぶこと。鳥を観察したり、自然について勉強したり、絵を描いたり、音楽を演奏したり、歌ったり(曲を聴いてその歌を歌ったり、それに合わせて歌ったりするのではなく)すること。
知りたいと思うことについて調べてみること。それはとても面白いことです。
そして瞑想。
瞑想とは、あなたの心と身体のプロセスを観察することです。
あなたは自分自身に関心がありますか?あなたは他の人々があなたに関心を持つことを欲していますね。違いますか?
しかしあなたは、あなた自身に関心があるでしょうか?自分自身に関心があるならば、あなたの心と身体で起こっていることに注意を払ってください。
マインドフルになればなるほど、あなたはより生き生きとするでしょう。また、あなたの心はもっと興味深いものになるでしょう。
そうすることで、あなたはより興味深い人間になるでしょう。
今、私は何を考えているのか?今、私は何を感じているのか?どのように感じている?心地よい?疲れている?
私は何かについて心配しているだろうか?
息を吸って、息を吐く。注意を払ってください。どのように感じますか?心地良く感じますね。
あなたは常に忙しくしているかもしれません。注意を払っていてください!それはどこでも、いつでも行えることです。
注意を払っている時、あなたは生きている。そのように感じられるのです。自分でやってみて、自分自身で見出そうとしてください。
自分自身の心を知るということは、人間に特有の性質なのです。動物にはそれを行うことができません。そして、自分自身の心を知ることは、成熟するための道であり、自由と幸福への道です。私たちを幸福にしたり不幸にしたりするのは、私たち自身の心なのですよ。またほとんどの場合、思考は牢獄です。
誰かがこう言いました。「自分の心を知っているなら、あなたはそれに振り回されることがないのです」。
自分の心を知らないならば、あなたはとても困ったことになるということです。
自分が何をやっていて、なぜそれをやっているのかを知るということは、とても満足のいくことなのですよ。
自分が愛している物事をベストを尽くして行い、それを上手に行うことで、あなたは生きていると感じられます。
「ああ!私は生きている!」そう感じられるための唯一の方法は、あなたが愛している物事を誠心誠意行うこと、全身全霊を持って行うことです。
このように言った人もいます。「仕事に没頭しない人生なんて地獄だ」。
何もしたくなく、何も知りたくなく、何に対しても興味がなくて、(精神的に)成長することがないというのは、全く地獄のようなものなのです。
マインドフルであることは、あなたのあらゆる才能、あらゆる潜在能力を育むための最善の方法です。自分がいかに創造的であるかを知りたいのであれば、まずはマインドフルであることを学んでください。自分が考えていることに注意を払ってください。完全な注意力を持って物事を行ってください。それは他の全ての能力を育む助けになるでしょう。これはとてもシンプルなことなのですよ。
(おわり)
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