室橋 裕和『カレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」』
ネパール人が運営するインド料理(カレー屋)の元愛好家として、「インネパ」の大きな潮流をよく理解することができた。よく知る店の名前も出てきたし、チャレンジングで野心的な第一世代からフォロワーのネパール人、同胞民を相手にした搾取の構造、そして助け合う姿の事例を読み、僕が仲良くしていたあの人はここに位置づけられるんだなと思いながら読んだ。
人口減にどう対処するか、移民とどのように付き合えばいいか、これから僕たちが実生活で考え体験する前に、本書でネパール人が日本に来ることになったトレンドについて読んでおくべきと思った。歴史の流れと政策などにより、人は動く。それにより社会が豊かになることも問題が起こることもあるが、変化の間で苦しむ人も出てくる。そういう人たちも含めて、僕たちはどういう社会を、そして世界を作っていきたいのか。
時代は流れていくが、その流れは自分達の意志を反映してできあがる。ただ流されるだけなのか、流れを帰る努力をしたり自らの意志で泳いで行くのか。目の前で起こる現象に対処するだけでは、行動していくのは難しい。インネパの店を訪ね、未来について考えよう。
いいなと思ったら応援しよう!
パクチー(P)コワーキング(C)ランニング(R)を愛する、PCR+ な旅人です。
鋸南(千葉県安房郡)と東京(主に世田谷と有楽町)を行き来しています。