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高校生からの質問

先日、都立国際高校の「公共」の授業でお話しさせていただく機会がありました。学校に許可を得て、質問と感想をここにシェアします。

常識にとらわれないキャリアの築き方、事業の組み立て方について、学校や企業からの講演依頼を歓迎しています。

Q&A

・これが一番美味しい!と思ったパクチー料理は何ですか?

 パクチーハウス東京の人気料理に「ヤンパク」というのがありました。これは元々中国の東北地方の料理で羊肉(ヤンロウ)とパクチーの組み合わせでした。現地では羊肉爆香菜という名前でしたが、わかりやすく「ヤンパク」と名付けました。南房総地域の猪を食べるまでは「羊とパクチーが絶対的に合う!」とずっと主張していましたが、昨年1月、ジビエ肉の処理センターができて猪肉を口にした瞬間に「これだ!」と思いました。

 長くなりましたが、僕がもっとも好きなパクチー料理は、「猪パク」です。そして、絶対だと思っていたものも、経験でころっと変わってしまうことがあります。いろいろ食べて自分なりの好みを見つけてください。

・パクチー食べ合わせのおすすめは?

 上述の通り、猪が最高だと今は思っています。だからと言って猪ばかり食べるわけではなく、その時いいなと思った食材とパクチーが合う絶妙な組み合わせを瞬時に判断してつくっています。今晩は、刺身用の魚を使ってセビーチェを作りました。

・大学では何を専攻されていましたか?

 学部では文化心理学を、大学院では平和学を選考しました。大学では研究室の中でもっとも多様性に富んだ研究室を選びました(留学生が多かった)。その後旅人を続けながら社会人として5年ほど働き、自分の志(旅と平和)を追求するために、平和学を選びました。

・店を始めるのに何か免許や資格などは必要ですか?

 食品衛生責任者という資格が必要です。1日講習を受ければもらえる資格です。興味があれば、今度の休みに取ってしまえば?

・開業時にご家族は何と言っていましたか?

 「楽しそう」

・好きなことを追求する時には不安はありませんでしたか?(その他、リスクを背負って挑戦することへの質問多数)

 自分で決断せず、誰かに判断を委ねることの方がよっぽど不安です。授業でも言いましたが、僕は21歳のときにイランに行って自分がそれまでに得たイランについての情報と、イランの実際の姿が大きく異なっていることに衝撃を受けました。そして、誰かの情報よりも自分の体験をもとに判断すべきだと思いました。自分の考えや行動が常識とは異なるとき、他人からの反応を予想して不安になることは、現在の僕でもあります。でも、自分自身を信じるべきということを過去の旅から学んだので、他の意見や親しい人の気持ちを尊重しながら、我が道を行くのが最善だと思って行動しています。

 「リスクが高い」というのはほとんどの場合「みんなと違うことをしている」ということの言い換えだと思っています。自分の感覚を捨てることが、将来的に大きな(生命の)リスクになると思いませんか?

・一番良かったと思う国は?

 授業の時のように、自分の生きる方向性を定める経験をしたイランを、その質問の答えとしています。その他、結婚式をしたポルトガル(ロカ岬というユーラシア大陸の最西端で挙式しました)や、初めて息子を連れて旅した台湾、娘と2人で旅したハワイ、砂漠を250km走ったモロッコなど、行った国の中で「最高の思い出」の話ができない国はほぼありません。

・今までの活動で一番大変だったことは?またどう乗り越えましたか?

 自分の思いと他人の感じ方は違うので、会社をつくったりPTAなどの組織のトップに立ったときに、誰かから誤解されたり穿った見方をされるのが辛かったです。でも、砂漠を250km走るためにワープが使えないので一歩一歩進むしかないのと同様、なぜそれが起こったのかを考え尽くして解決のために行動し続けることが唯一の乗り越える方法だと思っています。諦めたら、行動をやめたらそこでゲームオーバー。

・進歩の原動力となり得るものは何でしょうか?またどのようにして10年以上もパクチービジネスを続けられたのでしょうか?

 楽しいから、好きだから。やめないと決めれば、失敗しても大損しても、それを続けるための知恵が湧いています。ときに自分の中から、ときに他人のアイデアから。「進歩」とは文字通り、進むこと、歩くこと。最短距離で行けなくても、歩き続ければたどり着けるはず。

感想

・自分がやりたいことを追求した結果が独創的なアイデアとなりそれが集客につながり仕事になる。この自分がやりたいことを仕事につなげられるのは凄いと思った。

・生活の安定や収入の安定を優先して、大人になると好きなことをやめる人が多いけど、佐谷さんは自分がやりたいことを貫いていてすごいなと思った。自分も進路を決めるときに安定よりも好きなことを貫く気持ちを大事にしたいなと思った。

・“今やりたいことは今やる”のが大切だと学んだ。努力の積み重ねで今があると知って、本当に継続が大切だと知った。自分の目で見るのが一番大切。

・話の中で具体と抽象の繰り返しがとても上手く、コンセプトの抽出の流れを学べた。

・何でも食べる僕の友達が唯一嫌いだと言っていたパクチー。YouTubeでは、パクチーの好き嫌いは遺伝子によるものだと聞いたことがあり、何気に興味深い存在であったパクチー。こういう存在であるパクチーについて知れる非常に楽しく有意義な機会になりました。…そしてこの授業を通して、パクチーの言葉の強さを実感しました。またそれはパクチーに留まらず、自分にも可能性があると感じました。ありがとうございました‼パクパク!

・今やりたいことは今、貫く。世界中の人と話したり行ったりして、かっこいいしうらやましい。もっとやりたいことを貫いてみたいと感じた。私はタイに住んだことがあって、パクチー好きです。お話を聞いていてとても楽しく、自分も今やってみたいことを貫いてみたいなとワクワクしました。これから「89」という数字を見たら、佐谷さんやパクチーのことを思い出すと思います。素敵な時間をありがとうございました。

・とても勉強になった。人生経験が豊富な人の話はすごく面白いなと思った。行動が制限されてしまっている人(客)は本望ではない、店を消す、というアイデアが面白かった。行動を起こしてほしいというメッセージが伝わってきた。

・旅の中に生きる情熱人なのだという印象を受けた。

・「「楽しい」は降ってこない。自分で作るものである。」が心に刺さった。…好きなことやものをいつまでも追い続ける姿はとてもかっこよく見えた。今日貰ったpaxi bankのシールをパソコンに貼って苦しい時に好きなことを思い出すのに使いたいと思う。誰に何と思われようが、パクチーへの愛が全く尽きないのはとてもかっこいいと思いました。そしてその愛を他の人へも分かち合おうとする行動力も見習いたいと思いました。「やりたくなったら、やってしまう主義」を身に付けたい。

・自分の好きなことを貫き通して「成功」までのプロセスにしている姿に、自分も将来そんな風に自分のやりたいことに首尾一貫した努力をしていきたい。たくさんの失敗、経験(外国での多様性・異文化との出会い)が、佐谷さんの人生に大きく影響していて、自分も外国で得たことを活かしていきたい。常識を破壊していく様が、パクチーに対するこだわりと愛を感じる。今回のお話を聞いて、「地道な努力」の大切さを改めて痛感しました。初めは「89」や「狂会」などのジョークから始まったものが、「パクチーブーム」まで発展していく様子がまるで漫画のようで、とても聞いていて楽しかったです。


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paxi
パクチー(P)コワーキング(C)ランニング(R)を愛する、PCR+ な旅人です。 鋸南(千葉県安房郡)と東京(主に世田谷と有楽町)を行き来しています。