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読書手帳

2021.10.05

ふう、、
私は、この3日間、アメリカを旅してきた


大好きな大好きな江國香織さんの長編小説を、時を待って積んでいたこの本を、とうとう読み始めた。そしていま丁度、読み終わった。



従姉妹同士の二人、逸佳と礼那が、アメリカを旅する話。約500ページと本当に長い小説なのだけれど、そんな長さも全く感じさせない、まさに2人と一緒にアメリカを旅している気分になれる一冊。


この世界のいろいろを知ってしまった分、少し心に暗い影があるような17歳の逸佳と、本当にどこまでも澄んでいて、真っ直ぐな礼那。

二人は、家族に言わずこの旅をはじめるので、勿論残された家族側は探しはじめる(一人だけ、分からず屋の大人がいる)のだけど、本当に捕まらないでくれ〜〜という思いでずっと読んでいた。危なっかしいところもあってハラハラの旅なんだけど、目的地に着く瞬間、その地のホテルに着く瞬間、次の目的地までバスに乗る瞬間、ところどころで二人の気持ちが手に取るようにわかって、嬉しかった。

旅が終わった後の二人を想像すると、勿論家族から見れば成長を感じられる部分もあると思うのだけれど、大切な部分は変わってないと思うな。

「シカゴまで、今夜の、一時十五分発の切符を、二枚」
1週間前と同じ言葉を逸佳は言い、アクリルガラスの仕切りごしに、クレジットカードをすべらせた。
窓口の太った男性は無言でそれを受けとり、かちゃかちゃとキーボードを叩く。
机の上に、たべかけのグラノラバーが置いてあるのが見えて、夕食まで待てなかったのだろうと逸佳は思い、なんとなく微笑ましくなった。
世界、と思う。このひともまた、世界の一部なのだ。

旅行から帰る時、もう過去になってしまうだろうその場所や、そこにいる人を想って悲しくなるけど、それでもその場の物、人が、この後も自分と同じように生きていく。

物語を味わう楽しさを、最後の一滴まで味わい尽くすことができる一冊だった。アメリカに留学に行く妹にも読んで欲しいと思った。


ずっとエッセイを読んできたので、物語は久しぶりだったのだけれど、やっぱ、良いよねぇ、、本を開けばその世界に入れると思うだけで、今ある不安なども消える。
とってもとっても楽しかった♩¨̮



最近は、外国旅行紀などのエッセイや、旅行の物語(?)などが好き。地図で調べながら読むと、少しだけでもその国について知れる気がする。


お風呂に入って、次読む本を決めて、寝ます。

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