不覚にも涙が出てしまった話
今朝、母からLINEがありました。
ミーが息を引き取ったとのこと。
ミーというのは我が家にいた三毛猫の名前で、
次男が小学生の時に、我が家の家族になった猫。
今、その次男も大学院に進んで24歳ぐらいだと思うから
10年以上はうちにいたのかな。
どういう経緯でうちの家にたどり着いたかわからないけど、
捨てられた子猫が我が家に居ついてしまった感じ。
当時、我が家には次男がかわいがっていたハムスターが死んだばかり。次男はもう生き物は飼わない。と泣いていたし、もともと猫より犬だと思っていた僕は飼うつもりもない。
とても狩りが上手で、トンボをたべたり。
野良猫だったのだけど、人見知りをしないミーは、子供たちの人気者になり、ミーに会いに我が家に次男のクラスメイトが集まっていました。
そのちょっと前のこと家族を壊してしまった僕は、実家にもどりもがきながら長男、次男と立て直しをしていました。転校生だった次男に友達が増えたのはミーのおかげだったのかもしれないなと思います。
野良猫のミーに名前が付いたのは、ひょんなことから、家族でミーを買うことに決め、何となく我が家に住み着いたころ、きちんと買うなら去勢手術をしようと動物病院で名前を書かなくてはいけなくて、三毛猫だったからとりあえず「ミケ」後で、きちんと名前を付けようという話だったけど、何となく、ミケの語呂が悪く、ミー、ミーといわれるようになり、、、ミーと呼べば、返事をするようになりミーが定着した気がします。
もともと野良猫だったので、
家で暮らすのも好きなのに、外に行くのも好きで、
僕がソファに座っていると、ベランダに出せと命令をしてくるのです。
どうやら、下僕のように思っているらしい。
身体を使う遊び相手は長男や次男の役目。
子どもたちとミーは家の中でかくれんぼをしていました。
母がいない長男や次男を子守りしていたつもりなのかもしれないなとも思います。家にはいつも生きたネズミが届けられました。
例えば家族の中で重苦しい雰囲気があったときも、ミーがネズミを家に運び込んで、大騒ぎで(しかも生きたまま連れてくる。)、その大騒ぎを楽しんでみていた気もするのです。
夜の餌係は、僕の母の役目で、どうも彼女とミーは会話が成立していたらしく確かに、なにか、その時は「みゃー」ではなく、「みょはんー(ごはん)」とも鳴き声が聞こえていた気もするのです。
僕も含めて長男、次男が新しい生活に向けて動き出した後の遊び相手は父の役目。彼は、どうも僕らを扱うときから扱いが粗雑で、ミーの相手を文字どおりガシャガシャするのです。だから、彼の手はいつもひっかき傷だらけでした。
僕が家で寝ていた時は、いわゆるふみふみ、ってやつを胸のあたりでしながらゴロゴロ喉をならす。
たまに実家に戻ると、ひざに乗り、みゃーという。
犬派だった僕が、「猫も悪くないな」とおもったのは、
あんな風に首をおしつけてきて、ゴロゴロと喉をならし、
家に帰ると出迎える。
膝の上に座り込みこちらが動けなくなる時もあるのに、あきたらプイといなくなる。
単純に、ミーは年をとっただけなのかもしれないけど、
僕は再婚し、長男は東京で暮らし、次男は学生生活で一人暮らし。
そんな感じの中、
残された母や父があまり体調も万全でなくなってきた中、
愛を届けて、喜びを届けて、
ミーも「もういいかな。」と一つの役割を終えて天に戻ったのかなと
想うと、
不覚にも運転している車の中で涙が出てしまったのです。
ところで、今朝から関東に来ていて、
機内で読もうとなんとなく手に取った本が
ツナグ 辻村深月
なんだか・・。
もう一度ミーを抱っこしたかったな。
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