人類よ悔い改めろ!そして祈れ!『2012』(2009年)感想
★3.5/5
煽りがいい
冒頭の煮えたぎる地下水と研究者たち
「悔い改めろ」の看板を持つホームレス
地震の連発と能天気なニュース
秘密裡に計画を進める政府
など、いかにも「これから世界が滅びますよ~」と分かりやすく煽ってくるところがいいと思いました。盛り上がります。とある研究者が政府からいきなり責任者に任命される流れも、王道ですね。
An225ムリーヤがいい
劇中に登場した6発の大型輸送機です。素晴らしいチョイスと言わざるを得ません。C-5Mスーパーギャラクシーやエアバスのベルーガ等、大型輸送機にはロマンがあります。
ダメお父さんがいい
主人公のジャクソン・カーティス(ジョン・キューザック)は、小説がやや売れしただけのおっさんです。いい歳してまだ小説を書き、富豪の子供たちにこき使われ、元嫁家族とも微妙な関係…と哀愁が漂います。完璧です。そんな彼だからこそ、世界の終末を幸運で生き抜く様にグッときます。
常々映画を観て思いますが、『96時間』然り『ランボー』然り、「哀しみを背負った男」ほど胸熱なものはないです(持論)。
ユーモアがいい
元嫁の旦那に飛行機を操縦させるくだり
ベントレーを音声で始動させるシーン
州知事は元俳優
師匠が車のカギを貸してくれるシーン
等、適度なユーモアのお陰で娯楽として楽しめます。中でも、チャーリー(ウディ・ハレルソン)は最高です。
終末に翻弄される人々がいい
ヘムズリー博士の父親が別れを告げるシーン
ロサンゼルスで災害に巻き込まれる市民たち
避難を拒否した大統領
国民と祈りを捧げるイタリアの首相
など、先述した娯楽らしいポイントがありつつも印象的なシーンがしっかりとあり、感動できます。個人的にグッときたのは、ヘムズリー博士が箱舟の個室を見るなり「この広さならもっとたくさん人が救えるじゃねえか!」とキレるシーンです。
気になったところ
娯楽作品なのでリアリティを真面目に語るつもりはありませんが、それにしても終盤、箱舟の密閉機構が故障するシーンは気になりました。さすがに主人公たちでも、それは戦犯では笑。ハッピーエンドではあるものの、危うく乗組員全員死ぬところでしたからね。タマラもあの最期でよかったのか…。話が壮大なだけに地味な感じがしました。
以上
一言
岡本倫先生万歳