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「人類」の夜明けぜよ!『デイブレイカー』(2008年)感想

★3/5

設定と演出がしっかりしている

例えば車です。ヴァンパイアにとって日光は大敵ですので、車を運転する際は窓を塞ぐ必要があります。そのため、周囲をカメラでモニターしながら運転できるよう改造されていますし、日中にドアを開けるとアラームが鳴ります。あくまで人類がヴァンパイアに変異したという設定ですので、生産済の車を改造してあるという点にリアリティがあります。また、一瞬映るパトカーにも、しっかりこの改造がなされています。
他にも、ヴァンパイアが鏡に映らなかったり、傷の治りが速いヴァンパイアの為にボウガンが多用されていたりと、設定をしっかり演出に活かしているところが、とても好印象です。

わかりやすい演出

人間血液工場から人間がどんどん減っていたり、地下鉄の血液コーヒーショップ(?)の含有量が下がっていたりするのを見せられたら、血が不足していることがはっきりと伝わってきます。このように、本作ではセリフ以上に演出が、状況やストーリーを補強していて良かったです。「血が足りないと怪物になるで~」という危機感も、ビジュアルを通してバッチリ呑み込めました。そりゃ、代替血液が必要ですわな。

スプラッター表現もグッド

実験中に被験者が爆散したり、首をもいだりとスプラッター表現がしっかりしています。ベースが派手な映画ではないので、こうした表現が華を添えている印象です。血に飢えた兵士がモツを吸うシーンも、気味が悪くて良いです。

サム・ニールにご注目

サム・ニールといえば「ジュラシックパーク」シリーズのグラント博士ですよね。お気に入りの俳優の一人ではあるものの、あまり出演作を観る機会がなかった為、本作で観られて良かったです。あの少年のような心を持った恐竜博士が、本作ではヴァンパイア社長です。社長としての貫禄や、父親としての頑固な一面も演じていて印象的でした。グロテスクなラストには、思わずニヤリとしてしまいましたが笑(誉め言葉)。癌で娘を失いかけたことがきっかけで、不老不死のヴァンパイアを肯定する社長と、主人公エドワード(イーサン・ホーク)との対立が、面白かったです。
社長や主人公に限らず、心変わりしていく弟や、密かにライバル心を燃やす同僚、悲劇的な最期を迎える社長の娘など、魅力的なキャラクターが多いことも本作の優れた点だと思います。もちろん、ウィリアム・デフォーが出演しているのもいいですね。
蛇足ではありますが、社長の娘(イザベル・ルーカス)に既視感があるなと思って調べたら、『トランスフォーマー/リベンジ』の女子大生トランスフォーマーでした笑。

強いて言えば

あえて難点を挙げるとすれば、終盤でしょうか。元ヴァンパイアの血を使ってヴァンパイアを人間に戻せば、血に飢えることは無くなるというのが解決策です。この解決策を利用して社長を倒すシーンは、かなり良かったです。ですが、①元ヴァンパイアの血を摂る②人間に戻る③別のヴァンパイアが飢えでその人間を襲う④人間に戻る…というサイクルでは、共食いの連鎖になるのではないかと気になりはしました。とはいえ、格好よく夜明けを迎えるラストに水を差すのも無粋なので、気にしないことにしますか笑。

以上

一言

コカ・コーラよりペプシ!


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