オンラインケーキショップは売れる?売れない?
こんにちは!
パティシエの鈴木です。
オンラインでケーキ屋を運営しています。
チーズケーキ専門店 パティスリーベル
ガトーオペラ専門店 クインテットドペラ
先日コンサルティング業務でクライアント先へ行ってきました。
今回は結婚式の引出物に使う引き菓子のブラッシュアップ、ショップで販売している焼き菓子の新商品についてのコンサル業務でした。
引き菓子のブラッシュアップと新商品は社長のGOが出て、無事にコンサル業務が終わったのですが、打ち合わせの最後に社長から、
「オンラインでケーキ売ってみたけど、全然ダメだなぁ」
という話がありました。
クライアント先はホテルとウェディングなどを営む企業で、ケーキのオンライン販売はメイン事業ではないのですが、コロナ禍で難しい時期を経験し、様々な収入源を増やす取り組みをしていました。
帰りの飛行機の中でクライアントが運営しているオンラインショップを見てみました。
自前できちんとオンライン決済ができるホームページを作っていて、それ以外にもモールのようなショッピングサイトにも商品を掲載していました。
自分が請け負っている業務に販売促進は入っていませんで、専門でもないですし、なかなか助言も難しいとこですが、、、
それでも、うーん、「これは売れないだろう」というのが率直な感想です。
なぜ売れないと感じたのか。
それはそのオンラインサイトを見たときに、「こういうシチュエーションで買う」という状況が想像できなかったんです。
オンラインショップの先にいるお客様がどういう人なのか。
何を求めて商品を買うのか。
予算はいくらくらいなのか。
オンラインショップのウェブサイトを見るとそういう「想定の顧客」が見えてきます。
ペルソナってやつでしょうか。
例を出すと土屋鞄のオンラインサイトなんかはそういう「想定の顧客」が良く見えるサイトだと思います。
多分このサイトを見に来る人は、ジャパンメイドの上質なものが好きで、レザーが好きで、使い続けると味が出る、できれば一点ものなんかを欲していて。
贈り物にするにも、贈られる相手も同じような価値観を持っていて。
買う人のシチュエーションがはっきり浮かびます。
丁寧に「ギフト」のボタンなんかもあるので、ギフトを選んでいる人はすぐにこのボタンをクリックして何をプレゼントしようかなと楽しく迷えると思います。
さらに、土屋鞄は「レザー 鞄 日本製」で検索するとTOPに表示されます。
そういったSEO対策なんかもしていて、どうやって顧客が自分のサイトを検索するかもしっかり戦略立ててオンラインサイトを作っているのだと思います。
マーケティングの方やウェブサイトを作っている方にとっては基本中の基本のことだと思いますが、まだまだ、オンラインショップを「出せば売れる魔法のツール」のように思っていて、なんだ、出してみたけど売れないじゃないかと言っている方がたくさんいるように思います。
今は無料でオンラインショップを持てるBASEやSTORESのようなサイトが沢山ありますので、簡単にショップオーナーになれるありがたい時代です。
実店舗を開くとしたら数千万円は軽くかかる大変なことを、オンラインではバーチャル上で簡単に、しかも無料で作ることができます。
ですが、本当に売れるショップにするためには、実店舗を成長させていくようにオンラインショップも日々努力が必要だと強く感じます。
オンラインショップも実店舗と同様に、常連のお客様が飽きないように季節商品を出したり、まずは知ってもらうためにお試しセットなどで少しお得に購入いただける商品を作ったり。
季節のイベントに合わせた商品開発もとても重要です。
クリスマスやバレンタイン。
一年中需要があるのは誕生日のギフトです。
オンラインサイトのどこかに「誕生日ケーキとしても喜ばれています」の一言でもあると、そのケーキを買うシチュエーションが浮かびますが、そういった「なぜこの商品を買うのか」という意味付けができていないとやっぱり商品は売れません。
オンラインショップは実店舗と違い、全国どこからでもご注文いただけます。
その分競合他社も全国が相手です。
しかもその競合他社はデジタルマーケティングを駆使して、Google広告やSNS広告を出し、さらに箱や袋、熨斗、メッセージカード、ロウソクなどのオプションまでつけて、あの手この手で厳しい市場を生き抜いています。
そういう努力であったり、投資が実を結んでようやくオンラインで商品が売れるようになるんだと思います。
自分の運営しているケーキショップもマーケティングはエイ子さんに任せていますが、季節商品の開発や、セール時期の検討、メディアへの露出商品など自分も一生懸命考えて運営しています。
まだまだ規模が小さいので、自分がオンライン販売についてコンサルできる立場でないのが残念ですが、あらためてオンラインショップの難しさを実感しましたし、土屋鞄はやっぱり素敵だと思いましたし、こんなブランドが作れる経営者になりたいと思いました。
次回、クライアント先へ行くときには少しでも役に立てるようにオンラインについてもしっかり勉強したいと思います。
2022年2月24日
パティシエ 鈴木 崇志
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