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人との繋がりで一番大切なもの

例えば、
自分の親や子供が突然亡くなるって、
どんな感覚なんだろう。

家族の誰か一人の意思だけで、
全員の人生を拘束することはできない。
家族の他全員の意思だけで、
その一人の命を決めることはできない。
でもそれは、家族だからいいのか。

日本では、救命の場面で必ず、
延命処置をどこまで行うのか、
家族に意思確認する。でも、本人の思いが、家族のそれと合致していないことも少なくない。


メルボルンの病院にいた時に、
「自分の死に場所は自分で決める。なぜなら、家族に苦しんでいる姿を見られたくないから」と言っていた人がいた。

機械をつけないと、生きていけない人がいた。でもその治療を選択すると、
他の家族全員の一生の自由を奪うことになる。

答えのないその答えを模索するために、
何度も何度も患者家族と言葉を交わしてきた。


以前旅先で、スマホを無くしたことがあった。

お笑いライブ開演前にそれに気付いたけど、
意外と慌てなかった。
個人情報漏洩を危惧したけど。
あちこち必死に探すわけでもなく。
夜は仕事だったから、仕方なく旅先から離れて、帰って落ち着いてから思い当たる場所に
電話したら、あった。

この一件で、自分で自分を学んだ。
あぁ、自分はスマホなくても大丈夫なんだ。
無人島でも生きていけるんだなと思った。
でも自分は海外でもそう、フェスとか花火大会とかでも人とはぐれるけど、スマホを使わずに出会える。

本当に不思議な縁。

人と人との本当の繋がりって、
そういうものだと思う。

ネット社会の世の中だけど、それだけの繋がりじゃなくて、何もなくても会えるのが本当の繋がりなんだろうな。


スマホを落としただけなのに、
いろんなことを考え、そして気付かされた。

自分にとって
スマホは一つのツールでしかなく、
それが全てになってはダメだということ。

そして本当に伝えたい想いがあるなら、
人と人の繋がりの中で
物質ではなくちゃんと心で伝えていくこと。

その時に思ったんだ。

患者本人が機械をつけるつけないということはこの先の人生で重要なことなんだけど、それが全てじゃなくて、本人・家族の想いを支えていくこと。
そしてそれを支えたいという、
医療従事者としての想いを伝えていくことが
重要なんだということ。


人と人との繋がりは、
機械によって定められるものではなく、
心が大切なんだ。


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