老人ホーム施設長の思い出
老人ホームの施設長をしていたある日のこと。夕食時、あるユニットが急にざわざわして。
きざみ食の鶏肉を介護士から介助を受けながら食べていたおじいさんが、食べている物を喉に詰まらせてしまいました。
ベテランの介護士さんは落ち着いて、背中をとんとんと対応したのですが改善されず。すぐに看護師を呼んで器具を使って、のどに詰まったものを取り出そうとしたのですが、施設の器具では対応しきれず、救急車を呼んで病院へ。
結局、脳に酸素が届かなかった時間が長くなってしまったため、その方は亡くなってしまいました。
詰まってしまった鶏肉は、ハサミで1cm四方程度にカットされていたものでした。
おもちみたいなネバネバなものでもない、1cm四方の鶏肉でのどを詰まらせてしまうんだ、と。
どうすればよかったんだろう?もっと小さく?食事の姿勢が悪かった?それとも利用者さんに嚥下(えんげ)の問題があったのか。
私が「嚥下」というものを実感し考えた初めての出来事でした。
年末年始の楽しい時期、適切に気をつけて、楽しいお正月をお迎えください。
12/1のPastelDセミナーでは、嚥下障害について取り上げます。
最期の最期まで食事を楽しむためには、また不慮の事故を防ぐには、嚥下について知ることが不可欠です。
ぜひご参考にしてくださいね。
※上記のイベントは終了いたしました。ご参加いただいたみなさまありがとうございました。
ライター:さくらもも さん(PastelD家族介護コミュニティメンバー)
大手電機メーカーを早期退職し、有料老人ホーム施設長を経験。現在は介護DXのコンサルテーション事業を行いつつ、PastelD家族介護コミュニティを運営している。
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