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【英論抄読】股関節骨折患者における死亡率予測モデルの開発と検証

📖 文献情報 と 抄録和訳

股関節骨折患者における死亡率予測モデルの開発と検証

Hjelholt TJ, Johnsen SP, Brynningsen PK, Knudsen JS, Prieto-Alhambra D, Pedersen AB. Development and validation of a model for predicting mortality in patients with hip fracture. Age Ageing. 2022 Jan 6;51(1):afab233.

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DOI, PubMed, Google Scholar

📚 概要

[目的]
股関節骨折患者の1年死亡率の使いやすい予測ツールを開発し、臨床医と患者が適切な目標予防策を導き出すことを目的とする。

[デザイン]
Danish Hip Fracture Registryの全国データを用いた2011年から2017年までの人口ベースコホート研究。

[対象]
初回股関節骨折で手術を受けた65歳以上の患者計28,791人。

[方法]
入院時の患者関連予後因子を潜在的予測因子として評価した。介護施設居住、合併症(Charlson Comorbidity Index [CCI] Score)、虚弱(Hospital Frailty Risk Score)、基本動作(Cumulated Ambulation Score)、心房細動、骨折タイプ、肥満度(BMI)、年齢、性別を対象とした。1年死亡率との関連は,累積発生率を求め,一変量ロジスティック回帰を適用し,識別性(受信者動作特性曲線下面積[AUROC])を評価することにより検討した。最終モデル(ロジスティック回帰)は開発コホート(患者の70%)で使用された。識別とキャリブレーションは、検証コホート(残りの30%の患者)で評価された。

[結果]
すべての予測因子は1年死亡率との関連を示したが、識別性は中程度であった。最終的なモデルには、ナーシングホーム居住、CCIスコア、累積歩行スコア、BMI、年齢が含まれた。このモデルは、許容できる識別力(AUROC 0.74)とキャリブレーションを有し、個々の患者の予測因子の組み合わせにより、1年死亡リスクを5~91%の範囲で予測するものであった。

[結論]
入院時に得られる情報を用いて、股関節骨折患者の1年死亡率を予測することが可能である。日常臨床で使いやすいチャートを提示し、予後予測因子間の相互作用に関する新しい知見を提供する。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

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リハビリテーションにおいて、股関節骨折患者に対して「死亡」の予測をする視点はあまりないように思うが、世界的はこうした予後予測研究が多く発表されている。多くは医師の目線で書かれていると思われるが、リハビリテーション職種は、まず医師がこのような視点を持っていることを知ることが大切だろう。

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