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後ろ歩きは膝痛女性の筋活動比を変える

▼ 文献情報 と 抄録和訳

後方歩行による膝蓋大腿部痛症候群の女性における内側広筋斜走線維/外側広筋の筋活動比の変化

Abdelraouf OR, Abdel-Aziem AA, Ahmed AA, et al.: Backward walking alters vastus medialis oblique/vastus lateralis muscle activity ratio in females with patellofemoral pain syndrome, Turk J Phys Med Rehabil (IF: 0.308; Q4). 2019 Apr 25;65(2):169-176.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar

[目的] 本研究は、膝蓋大腿疼痛症候群(PFPS)の女性を対象に、後方歩行(BW)と前方歩行(FW)が、内側広筋(VMO)/外側広筋(VL)の筋電活動比に及ぼす影響を検討することを目的とする。

[方法] 2016年9月から2016年12月にかけて、合計40名の女性参加者(平均年齢20.9±1.9歳、範囲19~26歳)を対象とした。参加者は、片側のPFPSを有する者(PFPS群、n=20)と健常対照者(Control群、n=20)として2つのグループに分けた。Myomonitor® IV EMGシステムを用いて、時速3kmでのFWおよびBW時にVMOおよびVLの表面筋電図(EMG)を収集した。

[結果] PFPS群と健常者群では、FWに比べてBW時にVMOおよびVL筋のEMG活動が有意に増加した(p=0.001)。BW時には、PFPSのVMO筋活動は健常者と比較して有意に高く(p=0.013)、VL筋活動には有意な差はなかった(p=0.916)。FW期には、VMO活性、VL活性ともに両群間で有意な差は見られなかった(それぞれp=0.348、p=0.705)。PFPS群のBW時のVMO/VL比はFW比よりも有意に高く(p=0.001)、健常者群のBW時とFW時には有意な差はなかった(p=0.841)。PFPS群のBW時には、健常対照群と比較して有意に高かった(p=0.016)が、FW時には両群間に有意な差はなかった(p=0.100)。

[結論] 今回の研究結果は、PFPS患者において、BWはVMO筋の活性化を高め、理想的なVMO/VL比を維持することを示している。したがって、臨床家はPFPSの女性に対するリハビリテーションプログラムを開発する際に、BWトレーニングを考慮する必要がある。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

VMO/VL比はスクワット動作において様々な研究がなされていたが、後方歩行でも有効であると示されたのは興味深い。ここからは完全なる私の推測だか、前方歩行と後方歩行ではもちろん、足圧重心の軌跡が異なることはイメージできるが、下肢の回旋動態も異なってくるのでは?と思っている。すなわち、後方歩行の方が脛骨過外旋を抑制できるのではないかと考えている。「脛骨過外旋」も膝痛を考える上でかなり重要であるから、その辺を踏まえてもう一度後方歩行に関して深く掘り下げてみたい。

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ミントライム
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