職場内での週1~2回の運動➡ワークエンゲージメント⤴
▼ 文献情報 と 抄録和訳
職場での運動と従業員のワークエンゲージメントおよび心理的苦痛との関係-MYLS研究からのクロスセクション研究
T Jindo, Y Kai, N Kitano, K Tsunoda, et al.: Relationship of workplace exercise with work engagement and psychological distress in employees: A cross-sectional study from the MYLS study. Prev Med Rep. 2019;17:101030.
[ハイパーリンク] DOI, PubMed(Full text), Google Scholar
[目的] 従業員のメンタルヘルスや仕事の生産性に関わる要因である、職場での運動と心理的苦痛、ワークエンゲージメントの関係を調査した。
[方法] 年1回の健康診断とアンケートのデータを、東京の明治安田生命新宿医療センターから収集した。対象者1321名(平均年齢:50.8±9.5歳、女性率:68.2%、ホワイトカラー率:64.7%)を、職場での運動実施頻度に応じて、週1回未満、1~2回、3回以上の3群に分けた。仕事への積極性と心理的苦痛は、Utrecht Work Engagement ScaleとKessler Psychological Distress Scale(K6)を用いて評価した。ロジスティック回帰分析を行い、職場での運動頻度と仕事への取り組みや心理的苦痛との関係を調べた。人口統計学的変数、健康行動、健康状態、職場の特性、および客観的に測定された身体活動と座位行動について、オッズ比(OR)と95%信頼区間(95%CI)を調整した。
[結果] 職場での運動を週に1~2回および3回以上行っている参加者は、仕事への取り組みの活発さについて、有意に高いOR(OR=1.93、95%CI=1.00~3.71、p=0.049、OR=1.63、95%CI=1.23~2.15、p=0.001、それぞれ)を示した。職場での運動は、共変量で調整しても、いずれのグループも心理的苦痛に対して有意なORを示さなかった。職場での運動習慣は、身体活動や座りがちな行動に対する仕事への取り組みの活発さと正に独立して関連しており、その関連性は週に1~2回、3回以上の頻度にかかわらず認められた。しかし、職場での運動は心理的苦痛とは相関していない。
[結論] 今回の結果から、少なくとも週1~2回の職場での運動は、特にホワイトカラーの労働者の仕事への取り組みの活力を高めるために実用的な意味を持つ可能性が示唆された。
▼ So What?:何が面白いと感じたか?
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ポイント
職場での運動習慣、取り組みは、たった週1~2回であっても職員の活力を上げる。
面白いと感じた理由
「職場」で運動することのメリットを示した点が面白い。週1~2回であれば、工夫次第でどんな職場でも取り組みことができるだろう。
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そうはいってもなかなか、「さあ、職員たちよ、一緒に運動しよう」とは言えないし、誰も付いてこなかったら泣いてしまうだろう。これは個人の見解であるが、各職員にNEATを高めるような取り組みを行うことでも、似た様な効果が得られるのでは?と思った。
NEATに関しては以下の記事が分かりやすい。
医療従事者の活力は、患者の活力に直結する。病院・施設でも、こうした取り組みが広がることを期待する。
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良質なリハ医学関連・英論文抄読『アリ:ARI』
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