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リハビリテーションにおける患者指導も科学的に!
▼ 文献情報 と 抄録和訳
間質性肺疾患に対する包括的な肺リハビリテーション-教育の中核となるトピックを特定するためのコンセンサス・アプローチ
AE Holland, A Watson, I Glaspole: Comprehensive pulmonary rehabilitation for interstitial lung disease: A consensus approach to identify core education topics. Patient Educ Couns (IF: 2.607; Q1). 2019 Jun;102(6):1125-1130.
[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar
[目的] 間質性肺疾患(ILD)における肺リハビリテーション(PR)の中核となる教育項目について、医療従事者および間質性肺疾患患者の間でコンセンサスを得ること。
[方法] 間質性肺疾患(ILD)および肺リハビリテーションに精通した医療従事者が、2ラウンドのオンライン・デルファイ・プロセスに参加した。PRのための潜在的な教育的トピックは、「全く重要でない」と「非常に重要である」をアンカーとする4段階のリッカート尺度で評価された。各ラウンドの結果は、ILD患者のフォーカスグループで議論され、トピックの最終承認を得ました。
[結果] 医療従事者(n = 43)は、5大陸の6つの分野から参加した。フォーカスグループの参加者(n = 10)は、様々なILDと重症度を持っていた。6つの中核的な教育トピックについて合意が得られた。(1)ILDと元気に過ごす、(2)PR後も健康と強さを保つ、(3)酸素療法、(4)息苦しさと咳の管理、(5)疲労の克服、(6)不安、うつ、パニックの管理。
[結論] 本研究では、患者と医療従事者双方の視点を取り入れながら、PRを行うILD患者に対する中核的な教育項目を特定した。これは、ILD患者のための包括的なPRへの一歩となる。
[意義] 本研究は、既存の広報プログラムで実施可能なILDに特化した教育トピックの指針を広報担当者に提供するものである。
▼ So What?:何が面白いと感じたか?
患者に生活指導する際にはもちろん、「○○という疾患だから、○○を指導せよ!」ではなく、それぞれ患者に応じて適切に設定していく必要がある。ただ、今回の研究のようにベースとなる教育項目があると、患者に説明しやすいし、なにより患者ごとに必要な指導内容のアイデアを出す際の道しるべになる。
アイデアというのは、アイデアマンに浮かんでくる、訳ではないんですよ
アイデアというのは、アイデアが浮かんでくる準備をされた人にだけ、おとずれるということです
コンディション・ラボ所長で理学療法士の園部俊晴先生が、セミナーで話されていた内容である。日々研鑽し、アイデアが浮かぶ準備をしていきたい。
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