【英論抄読】バイタリティインデックスはFIMの改善と関連する
▼ 文献情報 と 抄録和訳
認知機能障害を有する脳卒中亜急性期患者におけるバイタリティインデックスは機能的自立度測定スコアの改善予測因子である
[ハイパーリンク]
[目的]
認知機能障害を有する脳卒中亜急性期患者の機能的自立度測定(FIM)得点の改善に対する動機付けの効果を検討する。
[方法]
このレトロスペクティブコホート研究は,初発脳梗塞で入院時にMini-Mental State Examinationスコア≦23の亜急性期脳梗塞患者358例を連続的に対象とした.意欲は活力指数,リハビリテーション成果はFIM-motor gainを用いてそれぞれ判定した。FIM-motor gainに関連する入院時因子を特定するため,ステップワイズ重回帰分析を行った。
[結果]
本研究に登録された80名中(平均年齢:74.2±11.3歳)。入院時の活力指数の中央値(四分位範囲)は7(4)点、FIM-motor gainは23(22)点であった。ステップワイズ重回帰分析の結果
✓年齢
(B,-0.43;95%信頼区間[CI],-0.65-(-0.21);β,-0.31;P<.001)
✓脳卒中発症から入院までの期間
(B,-0.18;95% CI,-0.33-(-0.04);β,-0.20;P =.014 )
✓Stroke Impairment Assessment Set-motor function
(B, 1. 27; 95% CI, 0.92-1.61; β, 0.78; P <.001)
✓FIM-motor
(B, -0.80; 95% CI, -1.01-(-0.60); β, -0.95; P <.001)
✓入院時のバイタリティインデックス
(B, 3.79; 95% CI, 2.37-5.21; β, 0.50; P <.001)
[考察]
認知機能障害を有する亜急性期脳卒中患者において,活力指数はFIMの改善と有意に関連していた。
▼ So What?:何が面白いと感じたか?
○●━━━━━━━━━━━・・・‥ ‥ ‥ ‥
入院時のバイタリティインデックスが、FIM-motor gainに影響を与えることはイメージできるが、こと認知機能障害を有する亜急性期脳卒中患者においては、その影響度が結構大きいのだなという驚きがあった。
バイタリティインデックスの強みは、なんといっても評価のしやすさにあると思う。その分バイアスもかかりやすいだろうが。
介入している中での主観的な印象(この方はリハにノッてこないな、、、など)を、単に介入効果や退院先の検討要素としてだけでなく、FIM-motor gainの予測因子として認識しておくことが重要だろう。
○●━━━━━━━━━━━・・・‥ ‥ ‥ ‥
良質なリハ医学関連・英論文抄読『アリ:ARI』
こちらから♪
↓↓↓
#理学療法 #臨床研究 #研究 #リハビリテーション #論文 #英論文 #文献抄読 #英文抄読 #エビデンス #健康 #サイエンス #教育 #ARI #ミントライム
○●━━━━━━━━━━━・・・‥ ‥ ‥ ‥
本マガジンを始めた経緯や活用方法はこちら
↓↓↓
医療従事者における道徳感についても記事にしていますので良かったら読んで頂けると嬉しいです。
最後まで読んで頂きありがとうございます。今日も一歩ずつ、進んでいきましょう。
○●━━━━━━━━━━━・・・‥ ‥ ‥
少しでも参考になりましたら、サポートして頂ければ幸いです。