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【英論抄読】バイタリティインデックスはFIMの改善と関連する

▼ 文献情報 と 抄録和訳

認知機能障害を有する脳卒中亜急性期患者におけるバイタリティインデックスは機能的自立度測定スコアの改善予測因子である

Ito D, Mori N, Shimizu A, Fuji A, Sakata S, Kondo K, Kawakami M. Vitality index is a predictor of the improvement in the functional independence measure score in subacute stroke patients with cognitive impairment. Neurol Res. 2021 Feb;43(2):97-102.

[ハイパーリンク]

DOI, PubMed, Google Scholar

前提知識
Vitality Index(バイタリティインデックス)とは、虚弱高齢者を対象とする、起床、意思疎通、食事、排泄、リハビリテーションの5項目の日常生活動作に関する「意欲」についての客観的機能評価法である。Vitality Indexの得点範囲は0〜10 点で、得点が高いほど生活意欲が高いことを示している。
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引用サイト

✅前提知識
重回帰分析の標準偏回帰係数(β)の判断の目安
0~0.2:影響なし
0.2~0.4:やや影響
0.4~0.7:かなり影響
0.7以上:かなり強い影響
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参考図書

[目的]


認知機能障害を有する脳卒中亜急性期患者の機能的自立度測定(FIM)得点の改善に対する動機付けの効果を検討する。

[方法]


このレトロスペクティブコホート研究は,初発脳梗塞で入院時にMini-Mental State Examinationスコア≦23の亜急性期脳梗塞患者358例を連続的に対象とした.意欲は活力指数,リハビリテーション成果はFIM-motor gainを用いてそれぞれ判定した。FIM-motor gainに関連する入院時因子を特定するため,ステップワイズ重回帰分析を行った。

[結果]


本研究に登録された80名中(平均年齢:74.2±11.3歳)。入院時の活力指数の中央値(四分位範囲)は7(4)点、FIM-motor gainは23(22)点であった。ステップワイズ重回帰分析の結果
✓年齢
(B,-0.43;95%信頼区間[CI],-0.65-(-0.21);β,-0.31;P<.001)
✓脳卒中発症から入院までの期間
(B,-0.18;95% CI,-0.33-(-0.04);β,-0.20;P =.014 )
✓Stroke Impairment Assessment Set-motor function
(B, 1. 27; 95% CI, 0.92-1.61; β, 0.78; P <.001)
✓FIM-motor
(B, -0.80; 95% CI, -1.01-(-0.60); β, -0.95; P <.001)
入院時のバイタリティインデックス
(B, 3.79; 95% CI, 2.37-5.21; β, 0.50; P <.001)

[考察]


認知機能障害を有する亜急性期脳卒中患者において,活力指数はFIMの改善と有意に関連していた。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

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入院時のバイタリティインデックスが、FIM-motor gainに影響を与えることはイメージできるが、こと認知機能障害を有する亜急性期脳卒中患者においては、その影響度が結構大きいのだなという驚きがあった。
バイタリティインデックスの強みは、なんといっても評価のしやすさにあると思う。その分バイアスもかかりやすいだろうが。
介入している中での主観的な印象(この方はリハにノッてこないな、、、など)を、単に介入効果や退院先の検討要素としてだけでなく、FIM-motor gainの予測因子として認識しておくことが重要だろう。

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