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【備忘録】臨床予測ルール×リベラルアーツで臨床予後予測の意思決定の質を上げる
臨床予測ルール(clinical prediction rule:CPR)は、言わずもがな、臨床現場で予後予測をする際、意思決定を助けるツールである。
私自身、リハビリテーション関連のCPRの研究に関わらせていただいている。とても興味深いと思う反面、使い方には注意が必要と常々思っている。
以下の図をみていただきたい。
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これはCPRの臨床での活用方法に関して、JAMAが2000年に発表したものである。リハビリテーション関連のCPRで、レベル1を満たすものが果たしてあるのだろうか、、、。
といったように、サイエンス的な面においてそもそもCPRを過信しない方がいいですよ、といえるが、仮にレベル1を満たすCPRを臨床応用する場合においても、過信はやはり禁物だ。
患者像など様々な要因から総合的に判断して予後予測に関する意思決定をすることは当然かもしれないが、ここでは少し別の角度から話をしたい。
それは、リベラルアーツである。
上記の本を読んだ。著者は独学をする意義に関して、以下のように述べている。
そもそも「知的戦闘力が上がる」というのは、どういうことなのでしょうか? 一言でいえば「意思決定の質が上がる」ということです。優れた意思 決定は優れた行動に直結し、優れた行動は優れた結果をもたらします。本書で再三にわたって指摘している「知的戦闘力の向上」という目的は、取りも直さず、ある局面において同じ量の情報を与えられた他者と比較して、より良い意思決定ができるということにほかならない、ということです。したがって、独学によって得られた知識を、「知的戦闘力の向上」につなげられるかどうかは、ある局面における意思決定に関して、有意義な示唆や洞察をこれまでの独学によって得られた知識から引き出すことができるかどうかにかかっています。
「ある局面において同じ量の情報」、これはすなわちCPRやその他問診などの情報である。ここから更に質の高い意思決定(=予後予測)をしていくためには、医学の枠を超えた様々な「独学」をしていくことが非常に重要であると思う。
臨床予測ルール×リベラルアーツで臨床予後予測の意思決定の質を上げる、、、これはサイエンス的な実証は難しいと思われるが、医療従事者だからこそ、様々なジャンルの「独学」を、強く推奨したい。
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