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【英論抄読】スクワット時の膝の負担を軽減させる口頭指示とは

▼ 文献情報 と 抄録和訳

口頭指導による自重スクワット時の膝蓋大腿関節負荷の軽減

Almonroeder TG, Watkins E, Widenhoefer T. Verbal Instruction Reduces Patellofemoral Joint Loading During Bodyweight Squatting. J Sport Rehabil. 2019 Oct 18;29(4):463-468. 1.9

[ハイパーリンク] DOI, PubMed(Full text), Google Scholar

✅ 前提知識:
全体共通:大腿部が地面とほぼ平行になる深さまでスクワットを行う
①内的注意(FoAin):「しゃがんでいる間、膝がつま先を越えないようにしてください」
②外的注意(FoAex):「椅子に腰掛けるようにしゃがんでください」

[背景]
自重スクワット運動は、膝蓋大腿部痛の治療および予防のための一般的な要素であるが、膝蓋大腿関節に高い負荷を与える可能性もある。スクワット時のつま先に対する膝の前方移動を制限することで、膝蓋大腿関節への負荷が軽減されるようだ。しかし、運動専門家はスクワットのテクニックを変更するために、通常、口頭での指示に頼っている。

[目的]
スクワットテクニックに関する口頭での指示が、膝蓋大腿関節への負荷に及ぼす影響を評価すること。

[方法]
参加者:負傷していない女性11名。
介入:参加者は、膝前方運動を制限するように口頭で指示を受ける前(ベースライン)と後に自重スクワットを行った。言語による指示は、内的注意を促すものと外的注意を促すものの2種類を使用した。マルチカメラシステムとフォースプレートを用いて、3次元の運動学とキネティクスを記録した。アウトカム: 筋骨格系モデルを用いて、矢状面の膝蓋大腿関節力と応力を推定した。

[結果]
参加者は、内的注意を促す指示を受けた後、ベースラインの試行と比較して、膝蓋大腿関節力 (35.4 vs 31.3 N/kg; P = .01) およびストレス (10.7 vs 9.2 mPa; P = .002) の減少を実証した。参加者はまた、外的注意を促す指示を受けた後(ベースラインと比較)、膝蓋大腿関節力(35.4 vs 32.3 N/kg、P = .03)およびストレス(10.7 vs 9.6 mPa、P = .04)の減少を実証した。しかし、膝蓋大腿力(P = 0.84)およびストレス(P = 0.41)には、内的注意と外的注意の試行における有意差はなかった。

[結論]
膝の位置に関する口頭での指示は、スクワット時の膝蓋大腿関節荷重に影響を及ぼすと思われる。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

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結果として、口頭指示の方法に関わらず、スクワット時のつま先に対する膝の前方移動の制限は膝蓋大腿関節への負荷を軽減させるようだ。
上記のような指示は、どちらも臨床上よく用いられる指示だと思う。そのような点で、とても臨床的意義のある研究だと感じる。というか、全国共通で上記のような指示をしていることは意外だった。
今回は膝蓋大腿関節力をメインアウトカムとしているが、筋活動にはどのような変化が生じるのだろう?臨床に寄り添う研究として、類似の様々な研究が行われるかもしれない。

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最後まで読んで頂きありがとうございます。今日も一歩ずつ、進んでいきましょう。

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