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#1 ランドスケープデザインの目覚め

はじめまして、Nagisaです :) 

このnoteを始めようと思ったきっかけは、社会人大学生として学んでいるランドスケープデザインについて、この学問そのものをもっと多くの方に知ってもらいたいという気持ちと、私が世界中の風景、街並み、生活、人々の姿をランドスケープデザインの目線からどのように見ているか、ということを、アウトプットすることで学びを深めていきたいと思ったからです。まだ、私自身もランドスケープデザイン分野では未熟であり、中には、私より沢山知っている方もいらっしゃるかと思いますが、情報共有しながら、デザインや思考法の幅を広めていきたいなと思っています。

さて、それでは早速、自己紹介を兼ねて、
「なぜ、私がランドスケープデザインに目覚めたのか」
ということについて、詳しくご紹介していきたいと思います。

「ランドスケープデザイン」という言葉自体に出会ったのは、2018年1月末頃だったと思います。当時の私は、グアム島でのインターンシップから帰国して丁度2年半が経過し、日本での生活では、働きに働きまくっていたアラサー女子。生活の中心となっていた仕事では、様々な経験をさせて頂き、これからの人生では出会えないような案件を多く担当させてもらい、会社の甘いも酸いも経験し、こうやって忙しい日々が過ぎていくだけなのかなぁと、どこか日常に対して消化不良のような、モヤモヤしている時期だったと思います。

2018年を迎える年末年始は、グアムへ戻り、インターンシップ時代に過ごしていた島暮らしならではの、のんびりした時間を過ごしました。友人と中心地からたった20分の海沿いをドライブしたり、観光業で働く友人たちの仕事終わりまで、カフェでのんびりしたり、ビーチで夕日を眺めたり。グアムには、連絡をすれば「待ってるよ!」と声をかけてくれ、再会の時には、大きく手を広げて迎え入れてくれる心暖かい友人達に恵まれていることに感謝しています。

いやいや、私とグアムの繋がりなんて、知りたかないよ!と思うかもしれないですが、実はグアムでの生活こそが、今、私がランドスケープデザインを学んでいる原点なんです。

グアムには、日本人在住者の友人がいて、2018年の年始に訪れた際に、その内の一人のお友達、お友達の旦那さん、旦那さんのお友達と、計4人でハイキングという名のよく分からないドライブに行きました。

中心地から約15分。街中で走る分にはかっこいいスポーツカーでは、もうバンパーが地面に擦っちゃうよ!というぐらいのデコボコ山道を通り、前日のスコールで足場がドロドロの泥道で停車、そこから、実際に実弾を使用できる射撃可能エリアを横目に、小さな丘を4人で登っていきました。登っている間は、銃が実際に発砲され、山々の間で(グアムでは丘なのかな)その発砲音が共鳴し、響き渡っていたのを覚えています。

そして、足元が不安定な道をどんどん進んでいくと、開けた場所が。


なだらかに続く低い山々。
今にもスコールが降りそうな広い空。
どこまでも緑が広がり、遠くには地平線。

そこでみた、景色こそ、私がランドスケープデザインという概念にたどり着く原点となった景色でした。

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その場で両手を広げて、この景色と対峙したとき、心に湧き上がってきたものは、「この場所を守りたい」という想いでした。

私は、グアムにたった1年間しか滞在しなかったインターンシップ実習生。縁もゆかりもない土地でしたが、前述したように、沢山の心暖かい、ローカルの友達、同僚、研修先の上司、ルームメイトに支えられて、無事に終えたインターンシップでした。そして、当時は、経済的にも親に頼れず、有給インターンシップとして留学という夢を叶えた滞在でもありました。そんな私にとって第二の故郷となったグアムの美しい姿。インターンシップ中は、忙しい観光業でのインターンシップでしたし、車を持っていなかったので、なかなかアウトドアを楽しむ余裕もなく、この景色を見た時、本当に感動したのを覚えています。

その後、ホテルに戻って、考えたこと。それこそが、
「景色を仕事にすることができるのだろうか」ということです。

単に、グアムの景色を守りたいならば、環境保護の仕事だったり、アウトドアの仕事をイメージする人も多いかもしれませんが、私が、ランドスケープデザインに辿り着いたのには、まだ、理由があります。

読者の中にも、グアムへ訪れたことのある方は沢山いらっしゃると思います。そして、グアム経済の根幹であるのが、観光です。そうすると、必然とグアムの人々にとって、生活の糧を得る手段は観光業が大方を占めています。私は、観光客にとって楽園のグアムは、暮らす人にとっては楽園とは限らない現実を目の当たりにしていました。

グアムの雄大な自然の美しさ、それと対比するような、厳しいグアム島住民の生活、地元民に蔓延る自信喪失や貧困、見えない未来。特に、若者にとっては、将来を描きづらい環境のように感じました。

私のように、日本での都市生活、忙しい日々に疲れ、南国の雄大な夕日を見て、ビーチ沿いを歩くだけで、なんだか気持ちがリフレッシュされ、初心を思い出し、また日本へ戻っていく。一方で頭に残ったのは、人を癒すパワーを持っているグアムの景色は、何故、現地に住まう人々の心を救えないのか?という疑問でした。

もちろん、夕日を眺めているだけでは、生きていけません。生活をしていく上で、衣食住は必須で、現在の資本経済社会では、お金というツールが最大の強者になっていて、そのお金を得る為に、盗みをしたり、人をだましてものをとったり。時には、自暴自棄になってドラッグに手をだしたり。特に脆弱な島経済の影響を受けやすい若者の困窮を間近で見ていた私にとって、景色が人の心を動かす原理と社会の繋がりを解明したい!という気持ちを抑えることができず、帰国後、ひたすら、インターネットで、「景色 社会 作る 学問」というような、思いつく限りの単語を並べて、片っ端から検索しました。

そこで、出てきた答えというのが、「ランドスケープデザイン」「ランドスケープアーキテクチュア」「景観工学」「環境心理学」「都市計画」「都市景観」といった言葉たちでした。ここから、社会人でありながら、大学への再入学を決める物語が始まります。

これからは、ランドスケープアーキテクトの職能のご紹介や、世界中で活躍するランドスケープアーキテクトの実例作品や、様々な都市の取り組みをご紹介したり、社会人大学生の大変さ、街歩きの楽しみ等をご紹介していきたいと思っています^^

個人的には、新型コロナウィルスが世界中で猛威を振るっている中、改めて自然の偉大さを感じていますし、そして、人間が誇る「都市」という人工物のもろさが露呈したなと思っています。でも、これから皆一人一人が自分の身の回りの風景、社会を創り出すデザイナーの一人であることを自覚してくれたら、世界は必ずいい方向に向かうと、心から信じています。

Keep your head up!
同じ空の下で。

Nagisa



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Nagisa | Landscape Design note
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