![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/36887686/rectangle_large_type_2_b192511c6a5d13dfaf6badb63aa13c25.png?width=1200)
#84 100点から100%へ
クラスの子が自主的に、毎日マラソンに取り組んでいる。そんな姿を見て、どんな価値を見出すかな。
目標に向かって努力する子。好きなことに夢中になれる子。我慢強い子。忍耐強い子。
どれも不確かな評価になっている。なぜ走っているのかが分からないと、判断できない。走るのが好きな子は、我慢しているのではないだろう。同様に耐えているわけでもない。それでも、何かに時間をかけることに価値を見出す「癖」のようなものが、僕たちの中にありそうだ。例えば、「時間をかけて作られたものは、きっと丁寧に作られたものだ。」と思ったことはないかな。「時間をかける=丁寧」ということだ。
確かに、そういったものはある。伝統工芸品などがそうだろう。一方で、機械があればもっと速く作れた、人手があればもっと速く作れた、というものもあるだろう。これは、「時間をかける」ではなく、「時間をかけざるを得なかった」という状況だ。または、そもそも、もっと早くに手をつけていれば終われた。だらだらせずに、集中して作業していたら終われた。ということがあるだろう。これは、「時間をかける」ではなく「(自分から)時間をかけた」と言えるだろう。どちらにせよ、「時間をかける=丁寧」は成り立っていない。
「時間をかけざるを得なかった」という人の横で、便利な道具を使うことや、チームを組むことで、アッという間に終わらせる人がいるだろう。様々な理由をつけていつまでも仕事に手をつけない人の横で、まずは手をつけて、これはどんな仕事なのか、どれくらい時間がかかりそうか、などの見通しを持つ。その結果、計画的に仕事を終わらせる人がいるだろう。
僕たちの仕事は多岐に渡る。年々、業務も増えている。時間をかけてやったことに対して、「丁寧」な仕事だという評価は得られない。ポイントを押さえている。読み手への配慮がある、などが「丁寧」という評価に結び付いている。つまり、かけた「時間」ではなく、あくまでも「質」が大事なんだ。でも、勘違いしてはいけない。100点を目指してはいけないよ。目指すのは、今の自分にできる100%だ。その仕事に取り組む、環境、現状、自分の能力などから出せる100%を目指すんだ。全てをそこに注いでしまっては、他の仕事が疎かになる。あくまでも、おかれた状況下での100%だ。時間的制約があれば、その中での100%だ。
どんな状況でも、一つ一つに、100%で取り組むことは、君に、目に見えない力をつけ、目に見える実績を積み上げてくれる。