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地方の公立小学校の教師です。自分の思っていること、考えていることが、どこかの誰かのため…

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地方の公立小学校の教師です。自分の思っていること、考えていることが、どこかの誰かのためになるかもしれない。 若い先生に届けたいという思いでスタート。そして、いつかどこかで一緒に働く仲間へのメッセージでもあります。 よろしくお願いします。

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#294 子どもが「叱られても遊ぶ」理由

本当は分かっている 休み時間に課題をすることになった子がいます。 「課題が終わってから遊ぶんですよ。」 友達が次々と教室を飛び出す。いつものように校庭でサッカーをするんだろう。多少は悩むが、その列の最後尾について校庭へ。 当然、先生に叱られる。 「なんで、課題をやらないで遊びに行ったの?」 「課題をやらないと、どうなるの?」※放課後にやることになる・・・ そんなことは分かっている・・・ ブレイク・イーブン効果損失が生じた時、その損失分を取り戻そうとして、普段よりも積極

    • #293 道徳って意味あるの?

      道徳への批判「教師の主観で行われている。」 「他の授業に替えられてしまい、十分に行われていない。」 「そもそも子どもは分かっている。」 「道徳の授業をしても、子どもの問題行動は減らない。」 社会で児童による信じられないような事件が続くと、道徳教育に対しての風当たりが強くなるように感じます。 現場の人間としての肌感覚としては、道徳の教科化によって一定の効果は出ているように感じます。研修の機会は増えました。以前に比べ、時数は確保されているように感じます。 それでも残るのが、「

      • #292 観察を邪魔するもの

        観察できない日々、子どもと向き合う僕たちにとって大切な力があります。 それは観察力です。 子どもが何を考えているのか、どんな気持ちなのか、何をしているのか、何をしようとしているのか、などなど、子どもを目にしている間は、常に観察していると言っていいでしょう。 しかし、この観察がなかなかうまくできないのです。 観察とは?僕らであれば、子どもの言動や感情に対して、仮説をもつことが大事になります。ここは、皆さん、意識、無意識は別として、やっていると思います。 観察を邪魔するも

        • #291 情報社会を目の前に、一旦、立ち止まる

          情報社会を生きる子どもたち 情報社会とは・・・ 情報社会で生きていく力「情報活用能力」を養うことが教育現場に求めらえています。 現場のリアクション ふむふむ。どうやら、避けては通れないようですね。 「私、パソコンとか苦手で、もうついていけない。」 「情報活用能力の前に、もっと大切なものがあるだろう。」 などなどマイナスな声が聞こえてきます。 一方で、こんな声も。 「情報はもうネットですぐに手に入るんだから、みんなはこんなことは覚えなくてもいいんだよ。」 小学生段階で、どこ

        #294 子どもが「叱られても遊ぶ」理由

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          #290 問題が起きた時は「What」から

          問題が起きたら・・・ 前回は「Whyから始める」という話をしました。 なのに、今回は「Whatから」とは、どういうことだ!と、思われた方、ちょっと待ってください。1週間で意見を変えたわけではありません。 前回と今回では、場面が違うんです。 前回は「説明を相手に伝える場面」での順番。 今回は「問題が起きた時に問う」順番、です。 まずは「What」から問う学級で問題が起きた時に、まず何から問いますか? 例を挙げながら考えていきたいと思います。 給食の準備中に、子どもが慌てて

          #290 問題が起きた時は「What」から

          #289 Whyから始める

          ゴールデンサークル理論 ゴールデンサークル理論とは、「WHY(なぜ)」→「HOW(どうやって)」→「WHAT(何が)」の順番で伝えることで共感を得られる、という理論です。2010年にTEDでサイモン・シネックが提唱した考え方で、人間の脳の働きに沿っていると言われています。 どうやら、説明を「WHY(なぜ)」から始めると、他者の感情や信念の部分に触れられるため、行動を促しやすくなるようです。 なるほど、仕事のいろいろな場面で使えそうである。 同じ言動だが・・・僕は、教育界

          #289 Whyから始める

          #288 絵が見えるように話す

          教師は話す教師である以上、「話す」ことは避けられない。 授業で話す。朝の会、帰りの会で話す。会議で話す。協議会で話す。保護者 と話す。 話す内容は、指示、発問、説明などなど。 僕ら教師は、当たり前のように話しています。そして、聞き手に受け取ってもらおうと工夫します。だって、指示が通らない、発問の意味が分からない、説明が理解できないと、子どもが困ります。 ジャパネット高田明さんに脱帽「テレビ通販といえば?」でまず頭に浮かぶのが元ジャパネット社長の高田明さん。高い声と高い

          #288 絵が見えるように話す

          #287 僕がいつもボケるわけ

          教師ならもっていたい要素僕が教師として大事にしているもの。 それは「笑い」です。 「一時間で一回も笑いのない授業をした教師は、ただちに逮捕する。」 伝説の社会科教師、有田和正氏の言葉です。 僕は「笑い」を大事にしています。 それは、全ての教育活動を行う上で、まずは子どもたちと人間関係を大事にしたいからです。授業でも、行事でも、生活指導でも、どの場面でも「笑い」は潤滑油になります。 内容よりも印象人は「印象」が大事です。というのも、印象は強く相手に残り、塗り替えるのには労

          #287 僕がいつもボケるわけ

          #286 子育て四訓

          子育て四訓 乳児はしっかり肌を離すな 幼児は肌を離せ、手を離すな 少年は手を離せ、目を離すな 青年は目を離せ、心を離すな   有名な言葉なので、ご存じの方もいるかと思います。アメリカ先住民の言い伝えだとか、教育者、緒方甫氏の教えなど、さまざまな由来を持つ言葉です。 子どもの発達段階に応じて、親と子の距離を離していく、そのタイミングを示唆しています。 小学校教師が陥る「勘違い」小学校は6年間あります。1年生と6年生を比較すると、大きな違いがあります。そんな小学校とい

          #286 子育て四訓

          #285 教員こそ、自分の「Value」が出しやすい

          バリュー(Value) 「バリュー」 →あたい。ねうち。価値。 「価値」 →どれくらい大切か、またどれくらい役に立つかという程度。 あなたはバリュー、価値がありますか? 教員として日々の業務を果たし、給与を手にしているのですから、当然バリューはあります。今回、取り上げたいバリューは、その基本的な業務において、どれくらい役に立っているかという意味での価値です。 あなただけの「バリュー」について考えてみたいと思います。 バリューを出す場面バリューというと、特別に人よりも秀

          #285 教員こそ、自分の「Value」が出しやすい

          #284 構造によって起きる教員の無能化

          学校の規模大規模校・・・25学級以上(1学年4クラス以上) 中規模校・・・12~24学級(1学年2~3クラス) 小規模校・・・11学級以下(1学年1~2クラス) 僕は3つ全ての規模の学校で働いたことがある。 講師の4年間は大規模校、初任から10年間は中規模校、その後小規模校に6年間勤め、現在中規模校に勤めている。 なぜ、あの先生が「なぜ、〇〇先生は動かないんだろう。」 僕が抱いていて疑問の答えが見えてきた。 尊敬できる力のある先生が、大規模に異動したとたん活躍を聞かなくな

          #284 構造によって起きる教員の無能化

          #283 心の定規は曲がる

          マイナスがプラスへ今まで嫌いだったものが、あるコトをきっかけに好きになる。 僕は野菜嫌いを公言しています。子どもの頃からです。そんな僕が小学校3年生の頃、母親と人参の天ぷらを作り、一口パクリ。美味しかったなあ。僕にとって人参はマイナスだったのに、プラスへ。 僕は社会科が好きなので教材研究の一環で、いろいろなところへアポをとります。これが、元々は大嫌い。社会人としてのマナーにも自信がないし、受けてもらえるかも分からない。まとめると面倒くさい!でも、1回の成功体験で、マイナスが

          #283 心の定規は曲がる

          #282 量だけでは弱く、質だけでは脆い

          教師は職人になるべきか? 授業技術、学級経営のコツなど、優れた技術をもつ教師がいます。その先生から多くの先生が学び、自身の指導技術を向上させます。 ここで、問題が発生します。 「教師は職人になるべきか?」 職人ということは、「ある一定の優れた技能をもつ」ということです。 この優れた技能は、誰もが身に付けることができるのか? 小・中・特別支援学校合わせて約76万人いる教師、誰もが同じスキルを身に付けることができるのか? 優れた技能をもつ教員は一部だからこそ、多くの先生が学

          #282 量だけでは弱く、質だけでは脆い

          #281 あなたの「見る」はどっち?

          みる教師にとって大切な姿勢が「みる」ことだと思います。大切というくらいですから、なかなかうまく「みる」ことは難しいです。 まず、「みる」という行為ですが、5つも漢字があるくらいですから、幅が広いです。 見る・・・視覚でもの、ことを捉える。 観る・・・注意深くみる。観察、観賞 視る・・・目的を持って調べるためにみる。調査 診る・・・体の状態を調べて判断する。診察、診断 看る・・・世話をする、面倒をみる。看病 大切な5つの「みる」ですが、次に、子どもの立場になって考えてみまし

          #281 あなたの「見る」はどっち?

          #280 「怒る」いや、「叱る」のも止めます

          怒りに身を委ねる恥ずかしさ 「あの時の先生、マジで怖かったですよ。」 数年ぶりに再会した教え子に言われた一言。 「あの時」のことは、よく覚えている。 理科の実験中にふざける男子2名。そのふざけ方が許せないものだった。同じ班の女子を馬鹿にし続けていた。2名を別室で指導した。理科室に戻り、実験を再開した所、また同じことを繰り返したのだ。我慢の限界がきて泣き出す女の子。2名を呼び出し、教員人生で初めて「怒り」の感情を、そのまま吐き出した。 今になって笑って話してくれる教え子に

          #280 「怒る」いや、「叱る」のも止めます

          #279 フィードバックだけでは不十分

          定期的に行われるフィードバック夏休みに入る前に、各教室では、1学期の振り返りが行われたのではないでしょうか。 4月に立てた目標の達成状況、その要因などを個人ごとに振り返らせるのが一般的でしょうか。 「過去の行動から、できた点やできなかった点、その要因を振り返る」 これをフィードバックと呼びます。 「ミスった」ことにしたい心理人は、なかなか物事の原因を直視できないものです。子どもたちも同様に、テスト直しでよく聞こえてくるのが、「ミスった。」という発言! 気付けないから間違

          #279 フィードバックだけでは不十分